多くのエンジニア職種がある結果、違いがよくわからないという意見もあるでしょう。ここではその中でも、組み込みエンジニアとシステムエンジニアの違いについて解説します。
システムエンジニアとは
システムエンジニアとは、システム開発においてクライアントへのヒアリングや提案を行う要件定義、システムの設計などを担当するエンジニアです。プログラミングを行うこともあります。システムエンジニアが主にクライアントとのやり取りである要件定義や設計を担当し、プログラマーがシステムエンジニアの設計にもとづいてプログラミングを行う場合が多いです。
システムエンジニアの対象はソフトウェア全般なので、〇〇エンジニアの多くはシステムエンジニアの中の一種です。〇〇エンジニアのほとんどは、ソフトウェアを対象とするシステムエンジニアか、インフラを対象とするインフラエンジニアに分類されるでしょう。
インフラエンジニアには、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、セキュリティエンジニア、データベースエンジニアなどがあります。
組み込みエンジニアとは
システムエンジニアと組み込みエンジニアの違い
システムエンジニアは対象システムによって、Webエンジニア、スマホアプリエンジニアなどに分けられます。さらにその中で細分化し、Webエンジニアの中のフロントエンドエンジニアとサーバーサイドエンジニア、スマホアプリエンジニアの中のiOSエンジニアとAndroidエンジニア、といった区分もあります。
プログラミング言語別に、Javaエンジニア、Pythonエンジニア、PHPエンジニアといった区分をする場合もあります。これらを組み合わせて、WebエンジニアでサーバーエンジニアでPHPエンジニア、といった言い方もできるでしょう。
このように〇〇エンジニアは種類が多く、また分類の仕方自体一通りではありません。いろんな切り口でいろんな分類ができるので、その点を把握しておくと〇〇エンジニアと聞いたときに混乱しにくくなるでしょう。
〇〇エンジニアの分類についての考え方
そのため混乱しそうですが、〇〇エンジニアの求人などを見たら対象システム、言語、OSなどを掘り下げて把握していくことが重要です。たとえば、Javaを使ったWebシステムのサーバーサイドの開発を行っている求人は、Javaエンジニア、Webエンジニア、サーバーサイドエンジニア、どの表記でも問題ありません。実際上記いずれの表記もよく見かけるものです。
つまり〇〇エンジニアの名前だけで判断するのではなく、他の要素も把握していくことが重要ということです。同じJavaエンジニアでもWebシステムではなく業務用システムを対象としている場合もあります。Webエンジニアやサーバーサイドエンジニアの中でも、扱っているプログラミング言語は様々です。Webエンジニアにもフロントエンドとサーバーサイドがあります。
これからエンジニアを目指す人は特に、〇〇エンジニアを目指すというざっくりした目標だけでなく、具体的な対象システム、プログラミング言語、開発の中でのポジションなどを明確化していくと良いでしょう。自分の目指す場所を明らかにすることで、そこへたどり着くルートを最適化できます。
組み込みエンジニアはシステムエンジニアの中でも特殊
チップにプログラムを組み込むという開発が特殊で、使用するコードなども他のエンジニアとは異なるからです。具体的な特徴は以下の通りです。
・物理的な部分の理解が必要
・メモリの有効活用が求められる
たとえば最近主流のWeb開発などでは、物理的な機器を意識することは少ないです。言語仕様的にも自動的に物理的な機器部分は処理されます。
一方の組み込みシステム開発では、ソフトウェアをいかに動かすかではなく、物理的な機器をどのように動かすかを考えてプログラミングします。たとえば、マイコンの電圧や電流を制御するコードなども使用します。
また組み込みシステム開発で使用するチップはパソコンやサーバーのチップに比べるとメモリ容量に制限があります。大量生産する場合は生産コストの問題もあるため、少しのメモリの無駄が費用に大きく影響する可能性があります。
組み込みシステム開発ではC系のプログラミング言語が使用されることが多いのですが、C系の言語はメモリの指定が自由にできるからという理由も大きいです。Web開発などではどんどん新しい言語が使用されるようになっていますが、組み込みシステム開発ではC系の言語の人気が根強いです。
〇〇エンジニアに惑わされないようご注意ください
区分方法が複数あるので、切り口によって同じエンジニアでも複数の呼び方ができるということです。そして求人などもエンジニアの区分方法が統一されているわけではありません。求人を見る際は、○○エンジニアという呼称だけでなく、言語、対象システム、担当ポジションなどを細かく確認し、実際にどのような作業を行うのかを把握することが重要です。