ゲーム開発に直接的に携われるゲームプログラマーは楽しそうな職業ですが、きついと言われることも多いです。ではなぜきついと言われるのでしょうか。またきつくてもゲームプログラマーに転職するほどメリットは大きいのでしょうか。
ゲームプログラマーの仕事がきついと言われる理由
やりがい搾取の面がある
もちろん同じゲーム業界でも企業によって状況が異なり、ここで解説する状況に該当しない企業もあります。しかし、ゲーム業界はやりがい搾取の面が大きいことは事実でしょう。なぜやりがい搾取になるのかというと、待遇があまり良くなくてもゲーム開発がしたくて集まる人が多いからです。
企業からすると待遇を上げなくてもやりがいを持ったゲームプログラマーが集まるので、待遇を上げる必要がないということです。ゲームという魅力的なコンテンツだからこそ、このような裏事情が存在します。
残業が多く激務になりがち
上のやりがい搾取の話とつながりますが、ゲーム業界は待遇の割に残業が多く激務な傾向があります。厳しい納期が設定されている場合が多く、またユーザーからの声があればリリース後にも迅速に対応する必要があります。
他のシステムに比べるとゲームは急なトラブルも多いです。トラブルの内容は、ゲームに不具合が見つかった、リリース直前に仕様変更が発生した、といったものです。こういったトラブルが発生すると、ゲームプログラマーは対処するために昼夜問わず働くことになります。
新しいスキルを追い続ける必要がある
プログラマー全般新しいスキルを身に付けることは重要ですが、ゲームプログラマーは特にスキルを追う必要があります。なぜなら、ゲーム業界は技術の変化が早いからです。次々と新しい技術が出てくるので、反映させていかないと古いゲームになってしまいます。業務が忙しい中でも勉強していかなければならないので、さらに大変さはあるでしょう。
人間関係が悪くなる場合がある
上記のようにゲームプログラマーは大変な面が多いのも事実です。各担当者がキャパシティーオーバーになり、ストレスが溜まっていきます。ストレスが溜まった人たちが同じ空間にいるので、複数の人が他の人にあたってしまったり、対立してしまったりする場合があります。こういったことが蓄積するとどんどん人間関係は悪化していきます。
ゲームに興味を持てないこともある
会社員としてゲームプログラマーになる場合、開発するゲームは会社の意向に従う必要があります。自分自身が面白いと思えるゲームなら開発のモチベーションも上がりやすいですが、そうでない場合はモチベーションも上がりにくいでしょう。
上でご説明した通り、ゲーム業界はやりがい搾取の面もあります。モチベーションが上がらないゲーム開発となると、やりがいがないのにやりがい搾取という状況になってしまうかもしれません。
このように、ゲームプログラマーには複数の大変さがあり、それらが相互に影響してさらに大変な状況を招いてしまうということです。
ゲームプログラマーになるメリット
やりがいがある
上でやりがい搾取についてご説明しましたが、やりがい搾取が発生するということは、やりがいがあるということです。待遇が良くなかったり大変だったりしても、ゲーム開発に携わりたいと考える人は多いです。
世の中にヒット作品を送り出すことや、自分自身がゲーム開発スキルを身に付けて成長することにやりがいを感じられる人は、ゲームプログラマーになるメリットがあります。
ユーザーの反応をダイレクトに見られる
多くのプログラマーは、自分が開発に携わったシステムを使ったユーザーの反応を確認できません。特に業務システムなどを開発しているプログラマーはシステムの利用者が社員だけで、社員は自社システムに対してあまり意見は言わないでしょう。
また社員からシステムに対する声が挙がったとしても、プログラマーではなくプロジェクトの責任者などに伝わります。一方で、ゲームプログラマーの場合はユーザーが口コミなどを投稿するので反応をダイレクトに確認できます。
ユーザーの反応を見ながらゲームに反映させていくことができ、また多くのユーザーから満足の声をいただくことは嬉しいです。
スキルがあれば好待遇になる
ゲーム業界はやりがい搾取の面や、大変な面が多いということでした。しかし、これはあくまでも経験が浅い人や、抜きん出たスキルまでは有していないゲームプログラマーの場合です。スキルアップを継続して業界内で重宝されるようになれば、好待遇になります。
会社から独立して、フリーランスとして複数のプロジェクトを抱えるケースもあります。ゲーム業界は人もお金も集まっているので、人件費が枯渇しているわけではありません。極端に言えば、業界内で一部の人がお金を独占している状態です。
スキルのあるゲームプログラマーになれば、そのお金を独占している側に入ることができ、やりがい搾取されないポジションになれるということです。
優良企業ならやりがい搾取にならない
ゲーム業界はゲームプログラマーにとって厳しい環境の企業も多いですが、優良企業もあります。優良企業のゲームプログラマーになれば、やりがいも得られ、待遇にも満足がいくでしょう。
ただし、ゲーム業界の優良企業は人気があるので入社の倍率は高い場合が多いです。まずは厳しい環境のゲーム開発会社に入社してスキルを身に付け、その後優良企業のゲームプログラマーを目指すという選択肢もあります。
ゲームプログラマーは大変さもメリットもある職業
良い面ばかりを見てゲームプログラマーになった結果、早期に離職するケースも少なくありません。大変さがあることはあらかじめ把握し、それでもやりたいと思えるならゲームプログラマーを目指すのがおすすめです。
また企業選びも重要です。優良なゲーム開発会社であれば、やりがいもあって待遇にも満足がいくはずです。しかしこういった企業は入社のハードルが高いので、まずは環境が悪くてもゲームプログラマーになって頑張るという方法もあるでしょう。
特に最初のうちはきつい場合も多いですが、スキルを身に付ければ待遇にも満足のいく形でゲームプログラマーとして働くことが可能です。