しかし、自分一人で生活できるほどの給料を得られるのか不安に感じる人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、フリーランスの平均的な給料や職種別の給料など、複数の視点から収入を解説します。
フリーランスの給料はどれくらい?業種別に解説
フリーランス全体の平均収入
フリーランス協会が「フリーランス白書2022」で発表したフリーランス全体の収入分布は、以下のようになっています。

引用:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2022」
フリーランス全体の収入は200-400万円未満がいちばん多く、全体の29.4%。
次いで200万円未満が21.8%となっています。
全体的に低収入の人が多いように感じますが、この数字は副業でフリーランスをしている人も含まれています。
1か月に140時間以上稼働している専業のフリーランスに絞ると、400-600万円未満が22.7%と一番のボリュームゾーンとなっています。
ちなみに、国税庁の発表によると、給与所得者(会社員・パート・役員・公務員等)の平均年収は467万円でした。
この結果から、専業のフリーランスと給与所得者は同程度の収入があると言えます。
働き方別の平均収入
フリーランスは、自分の考えに合わせて自由に働けるのが魅力です。ここでは勤務時間ごとの平均年収について解説します。
すきまワーカー(月60時間未満)
仕事や家事など、すきま時間にフリーランスとして働く「すきまワーカー」。定義としては勤務時間が月60時間未満のフリーランスです。
すきまワーカーの収入は、半数近くの47%が200万円未満です。
フリーランスが本業ではなく、副業として行っている人が多いため、売上増加を求めない人もいます。

引用:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2019」
時短ワーカー(月60時間以上140時間未満)
勤務時間が月に60時間以上140時間未満の時短ワーカーは、収入が200~400万がもっとも多いゾーンです。
60~140時間の勤務をする場合、平日の仕事が終わった後に3~4時間、土日もフルでフリーランスとしての仕事をしなくてはなりません。
会社員として働きながらフリーランスでの独立を目指していたり、主婦の副業として本気で取り組んでいる人が多いです。

引用:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2019」
フルタイムワーカー(月140時間以上200時間未満)
勤務時間が月に140時間以上200時間未満のフリーランスは、正社員として会社に勤めるのと同等の時間を働いているため、フルタイムワーカーと呼ばれます。
フルタイムワーカーの収入は200~400万円が最も多く29%、次いで400~600万円が21.6%となっています。
200万円未満が10%と少ないことも注目する点です。9割のフルタイムワーカーが200~400万円以上の収入があるため、フリーランス1本で生活していける水準です。

引用:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2019」
ハードワーカー(月200時間以上)
月に200時間以上働くフリーランスを、ハードワーカーと言います。
会社員にすると毎月40時間の残業をしている計算になります。会社員が毎月40時間の残業をすると体力的に厳しくなっていきますが、フリーランスは自宅など好きな場所で仕事ができるので、そこまで疲労感はないでしょう。
収入は400~600万円が21.9%、次いで600~800万円が20.6%、1000万円以上の収入がある人も19.4%います。
働けば働いた分だけ稼げるフリーランスの特徴が出ているといえるでしょう。

引用:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2019」
職種別フリーランスの平均収入
続いては、エンジニアやコンサルトなど職種別の平均収入を見ていきましょう。下の画像は、職種ごとの収入のグラフです。

引用:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2019」
ビジネス系
経営企画やマーケティング、営業などのビジネス系フリーランスは、200-400万円がもっとも多くなっています。
しかし、1000~1200万円未満の人も10.0%いるため、能力次第では高収入を目指せます。
法務や財務・人事など専門知識を必要とする仕事も多いので、もともと会社員として経験がある人がフリーランスとして転身することが多いようです。
IT・エンジニア系
在宅仕事との相性がいいIT・エンジニア系のフリーランスは、400~600万円がボリュームゾーンとなっています。
また、収入が200万円未満と回答した人が14.6%と少ないことも特徴です。
IT・エンジニア系はもともとスキルを持っている人がフリーランスになることが多いため、最初から会社員と同程度の収入を得られるためだと考えられます。
プロジェクト単位で仕事を受けることが多く、収入が安定していることも特徴です。
文筆系
ライターや編集者・イラストレーターなどの文筆系は、200万円未満が32%ともっとも多くなっています。他の職種と比べても200万円未満の割合がもっとも多いです。
新規参入がしやすい職種のため、初心者が多いことが収入が低くなる原因と考えられます。
しかし、年収400万円以上の人が40%以上いるため、経験を積んでいけば会社員並みに稼げる職種です。
フリーランスとして給与を上げる方法
フリーランスとしての仕事を継続する
フリーランスは特別なスキルが無くても、誰でもなることができます。しかし、その分辞めていく人が多いです。
中小企業白書によると、フリーランスの廃業率は以下のようになっています。
・開業1年後:約30%が廃業
・開業3年後:約65%が廃業
・開業5~6年後:約75%が廃業
どの職種でもそうですが、会社員と違いフリーランスで継続して収入を得るのは難しいことです。
しかし、反対に考えれば開業して5~6年継続できれば上位25%に入れます。経験が増えるにつれて収入も増えるでしょう。
そのため、まずはフリーランスを続けることを意識しましょう。
専門的な知識を身につける
他のフリーランスと差別化するために、専門的な知識を身に付ける、専門分野を持つことが大切です。
誰にでもできる仕事は、単価が安くなりがちです。逆に一般には出回っていない知識や能力を持つ人は、市場価値が高くなり収入も増えていきます。
信頼してもらえる仕事をする
フリーランスにはお小遣い稼ぎ程度に片手間で仕事をしている人もいます。
そのような人は、メールの返信が遅い・納期を守らないなど、レベルの低い仕事をすることが多いです。
真面目に仕事をしている人には信じられないかもしれませんが、多くのフリーランスと仕事をしていると、適当な仕事をしている人によく当たります。
そのため、社会人として常識的な対応をすればクライアントからの信頼を獲得でき、継続的に仕事を回してもらえるでしょう。
売上を意識して仕事をする
フリーランスになると忙しさから、受注した仕事をこなすだけになってしまいがちです。
しかし、漫然と仕事をこなすだけでは収入は増えていきません。常に経営者的な視点を持ち、「今月の売上目標は〇万円」と意識をしなくてはいけません。
売上の目標があると、1日にいくら稼げばいいか、時給はどれくらいに設定すればいいか、など具体的な戦略を決められます。
高収入を得るためには常に長期的なビジョンを持ち、着実に実行していきましょう。
まとめ
その要因は、フリーランスには多様な働き方があるためです。社会人のようにフルタイムで働いて収入を得る方法もありますし、すきま時間に少しだけ収入を得るという方法もあります。
収入のばらつきを見ると、自分でも稼げるか不安になりますが、継続をしていけば必ず生活できるようになるでしょう。