フリーランスとして開業しても失業保険(失業手当)はもらえる?

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「会社を退職してフリーランスになる予定だけど、失業保険はもらえるのかな?」

フリーランスを始める際に、このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。長年雇用保険を支払ってきたのですから、できれば失業保険をもらいたいですよね。

この記事では、会社員からフリーランスになる際に失業保険はもらえるのか、再就職手当をもらえるのか、について解説します。

失業保険の概要や対象者

まずは、失業保険がどのような制度で、誰が対象となるのかを解説します。

失業保険とは


失業保険とは、会社員などが失業した場合や自己都合で退職した場合などに、失業手当を受給できる制度です。給与から毎月雇用保険として保険料が天引きされています。

失業手当を受け取るには、求職活動を行っていることが条件になります。

求職活動とは、実際に企業の面接を受けなくても、最初の1か月目はハローワークで実施される説明会に参加することが実績となります。

その後は、1か月ごとに求職活動の実績を報告する必要があります。自己都合で退職した場合は、離職票を提出した日から2か月は給付制限期間で失業手当をもらえません。

つまり、最低でも1か月間は求職活動をして実績を作る必要があります。2か月目になると所定の金額の失業保険を受け取れます。

失業手当の計算方法


失業手当の受給金額は、「給付日数」×「基本手当日額」で算定できます。

給付日数は自己都合による退職か会社都合による退職か、雇用保険の加入期間や年齢などによって変わります。ハローワークの公式ページにて、ご自身が当てはまる給付日数を確認してください。

基本手当日額は、退職前6か月の賃金を180日で割った金額に、50%~80%を掛けて求めます。

退職前6か月の賃金には、残業代・通勤手当・住宅手当は含み、賞与・退職金などは含まないで計算します。

基本手当日額は、上限と下限が設定されていて、こちらもハローワークの公式ページで確認可能です。

失業手当の受給金額の計算は少し複雑なので、ハローワークの窓口で確認をするか、計算ツールを提供しているサイトなどを参考にしましょう。

失業手当の計算には退職前6ヵ月の賃金以外にも、会社に在籍していた期間や退職時の年齢などの情報も必要となるので、スムーズに問い合わせできるように事前に用意しておいてください。

 

失業保険の鍵となる開業届について


開業届とは個人で事業を始める際に、税務署に提出する書類です。開業届に記載する内容は以下のようなものがあります。

・氏名、住所、生年月日

・職業(Web制作、イラストレーター、Webライターなど)

・屋号

・開業日

・事業の概要 など

開業届は「事業を開始してから1月以内に提出してください」と国税庁のサイトに記載されています。しかし、罰則は無く、開業届を出さないまま仕事をしている人もいます。

しかし、フリーランスとして専業で仕事をするのであれば、開業届は提出しましょう。開業届を提出すると青色申告で確定申告が可能です。そのため、所得の控除額が増えて納税額を減らせます。

開業届のフォーマットは、国税庁のホームページからダウンロードできます。記入の仕方の見本を参考に開業届を作成したら、提出用の原本と控えを管轄の税務署に持参しましょう。

受付に提出すれば、控えに受領印を押してくれます。この受領印は後々重要になるので、必ず控えを保管してください。

開業届のフォーマットは、国税庁のホームページからダウンロードできます。記入の仕方の見本を参考に開業届を作成したら、提出用の原本と控えを管轄の税務署に持参しましょう。

受付に提出すれば、控えに受領印を押してくれます。この受領印は後々重要になるので、必ず控えを保管してください。

会社員からフリーランスになる場合でも失業保険(失業手当)をもらえる?

それでは、会社員を辞めてフリーランスになる場合は、失業保険をもらえるのでしょうか。

フリーランスになる人が失業保険を受給するには、離職した後にフリーランスとして独立する準備をするだけでなく、求職活動の実績も必要になります。

つまり最初からフリーランスになるつもりで離職をして、求職活動をしない場合は、失業手当を受け取ることはできません。

フリーランスを検討している人が、失業手当を受け取る場合の流れは以下のようになります。

  1. 離職票をハローワークに提出

  2. 7日間の待機期間

  3. 雇用保険受給説明会

  4. 失業認定日(1回目は③の説明会が実績になる)


*フリーランスとして独立する準備と求職活動を並行させる

  1. 自己都合退職の場合、2か月間の給付制限

  2. 失業手当振り込み


*給付制限期間中にも失業認定が必要なので、求職活動を行わなくてはいけません。

上記の流れのように離職後にフリーランスを検討している場合は、求職活動も並行して行わなくてはいけません。その間は、約2か月間は収入が無く、3か月後からは失業手当しか収入がありません。

フリーランスとして生計を立てる目途が立っているのであれば、失業保険を受給するよりも、早く活動を始めたほうが得になる可能性もあります。

 

受給資格があっても受け取れなくなるケース


受給資格があっても失業手当を受け取れなくなるケースがあるので注意しましょう。

フリーランスの仕事で収入があった場合


離職する前から副業で仕事をしていた場合、失業手当を受給している期間にも収入がある場合があります。

その収入が一定以上になると、失業手当の受給額が減額されます。また、7日間の待機期間中はフリーランスとしての活動は一切できません。少しの収入でも発生した場合は、待機期間が延びてしまうので注意が必要です。

受給期間中に開業届を提出した場合


失業手当は「失業状態」にある人への給付金です。

そのため、開業届を出すと個人事業主となり、失業状態ではなくなるため失業手当を受け取ることはできません。

売上が0円だったとしても、開業届を提出した場合は受給の対象から外れます。

フリーランスの事務所として賃貸契約をする


失業期間中にフリーランスとして仕事をする準備の中で、事務所の賃貸契約をすると失業手当の受給が終了します。

事務所の賃貸契約をしたことで、フリーランスとしての準備期間が終了して、業務に入れる状態になったと判断されるためです。

求職活動をおこなっていない場合


失業手当を受給している間は、基本的に毎月2回以上の求職活動をして、ハローワークに認定してもらう必要があります。

求職活動には以下のようなものが該当します。

・求人への応募

・ハローワークが実施する説明会やセミナーへの参加

・民間企業が主催する合同説明会への参加

認定回数が足りない場合は、失業手当の受給が先送りされてしまいます。

ただし、認定回数が足りなくても、認定日にハローワークを訪れて、次回の認定対象期間を設定してもらう必要があります。

新たに設定された認定対象期間に求職活動を2回おこなえば、失業手当の給付が再開されるという流れです。

フリーランスは失業保険だけでなく再就職手当ももらえる?

失業手当を受給できたら、再就職手当についても受給できるか調べてみましょう。

再就職手当とは


再就職手当は、離職して失業手当をもらっている人が、早期に再就職をしたときにもらえる失業保険です。

失業手当を受給していると、受給期間が終了するまで就職せずに失業手当をもらおうとする人がいます。そこで、早期に就職した場合は、お祝い金のような形で、失業手当の残額の6割または7割を一括で受け取ることができます。

フリーランスも再就職手当をもらえる?


フリーランスとして個人事業主になった場合も再就職手当を受け取れます。

税務署に提出する開業届が個人事業主になった証拠になるので、ハローワークに受領印が押された開業届を持っていきましょう。

また、個人事業主になった事実を補完する書類として、取引先への請求書や事務所の賃貸契約書なども求められることがあります。

再就職手当を受け取るには、以下のような条件もあるので確認してください。

・7日の待機期間を満了後の就職、または事業開始であること

・就職日の前日までに失業認定を受け、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること

・1年を超えて勤務することが確実であると認められること など

詳しくは最寄りのハローワークに確認してください。



 

フリーランスが再就職手当を受給するまでの流れ


ここでは、会社を退職してから再就職手当を受給するまでの流れを解説します。

ハローワークで失業手当の申請をおこなう


再就職手当を受け取るには、まずは失業手当を受給する必要があります。

会社を退職する際に受け取った「離職票」と「雇用保険被保険者証」を持って、ハローワークで失業手当の手続きをおこないます。

離職票と雇用保険被保険者証は、退職してから発行されるまでに2~3週間ほどかかることがあるため、急ぎであれば退職前に会社に早めの発行を依頼しておくといいでしょう。

雇用保険説明会に出席


失業手当の手続きをおこない条件を満たしていると認定されたら、指定された日に雇用保険説明会に参加します。雇用保険説明会では、以下のような内容が説明されます。

・失業認定を受ける条件について

・不正受給の禁止や罰則

・再就職手当について

雇用保険説明会は基本的に話を聞いているだけで終わりますが、配布されるアンケートは必ず提出することが求められます。

また、雇用保険説明会では雇用保険受給資格者証が渡され、再就職手当を受給するまで必要になるので、無くさないようにしましょう。



出典:ハローワーク「雇用保険受給資格者証雇用保険受給資格者証

失業手当の受給開始


待期期間(7日間)と給付制限期間(基本的に2か月)が経過すると、失業手当の給付が開始されます。

給付制限期間の間には原則2回の求職活動をおこなう必要があります。求職活動をおこなわないと、失業保険の給付が先延ばしになってしまうため、注意が必要です。

税務署に開業届を提出


開業の準備が整ったら税務署に開業届を提出します。

ハローワークに再就職手当を申請する際に開業届の写しが必要となるため、開業届は原本と写しの2枚を税務署に持っていきましょう。

1枚は税務署の窓口で渡して、もう一枚は受領印が押された状態で返却されます。

税務署に開業届を提出しないで事業を始めても罰則はありませんが、届け出をしない場合には青色申告ができないので専業のフリーランスには必須と言えるでしょう。

ハローワークに再就職手当申請書を提出


再就職手当の申請は、フリーランスとして事業を始めてしてから1か月以内に提出しなくてはなりません。

開業届をハローワークに提出すると、再就職手当申請書を渡されるため記入して申請をします。

再就職の申告をしないで失業手当を受け取り続けると不正受給となり、悪質な場合は受給金額の3倍の返還命令が出されるため注意が必要です。

 

再就職手当の支給金額


再就職手当の支給金額は、以下のように計算します。

基本手当の支給残額×6/10=再就職手当の支給金額

*基本手当の支給残日数が、所定給付日数の2/3以上残っていれば7/10となる

基本手当の支給残高は、雇用保険受給資格者証に記載されている「基本手当日額」と「所定給付日数」から計算可能です。

例えば、基本手当日額が5,000円、所定給付日数の残りが100日であれば、基本手当の支給残高は50万円となります。



出典:ハローワーク「雇用保険受給資格者証雇用保険受給資格者証

基本手当の支給残高が50万円であれば、再就職手当は以下のように計算します。

50万円×6/10=再就職手当支給金額30万円

ハローワーク側としては早期に再就職してもらいたいので、基本手当の支給残日数が、所定給付日数の2/3以上残っている場合は、基本手当の支給残高×6/10ではなく、7/10となります。

例えば、所定給付日数が90日の場合、60日以上の残日数

所定給付日数が120日の場合、80日以上の残日数であれば給付率が70%となります。

給付率が70%の場合、50万円×7/10=再就職手当支給金額35万円となるため、より多くの手当てを受け取れます。



 

フリーランスが再就職手当を受給する際の注意点


フリーランスが再就職手当を申請する場合は、次に説明する注意点を守って受給するようにしましょう。

失業手当の残日数が1/3以上あるか


再就職手当を受給するには、失業手当の支給残日数が1/3以上残っていることが条件です。

フリーランスは開業する日を自由に決められるため、開業準備に時間がかかり、いつの間にか支給残日数が1/3を下回っていることもあります。

再就職手当を受け取るのであれば、準備が開業日に間に合うように計画を立てて、着実に実行しましょう。

支給残日数が1/3未満になると再就職手当は受給できませんが、常用就職支度手当をもらえる可能性があります。

常用就職支度手当とは、支給残日数が1/3未満であり、かつ年齢や障がいなどにより就職困難な方が再就職したときに受給される手当です。

受給対象が限られているため全員が受給できるわけではありませんが、再就職が決定したらハローワークに確認するといいでしょう。

待期期間中に開業届を提出しない


失業手当の申請をおこない受給資格が決定すると、7日間の待期期間が始まります。

待期期間はハローワークが失業者の情報を確認したり事務処理をしたりする期間であり、退職理由に関わらず一律に適用されます。

待期期間中は、副業やアルバイトなどで少しでも収入があると、待期期間が延びるので注意が必要です。

待期期間中に収入があったのに申告をしないと不正受給となるので、必ず申告するようにしましょう。

再就職手当を受給するには、待期期間が終了して失業手当を受け取っている必要があります。そのため、待期期間中に開業届を提出してしまうと失業の状態とはみなされないため、再就職手当を受給できなくなります。

会社都合で退職した方は待期期間が終了すると、失業手当の支給が開始されます。そのため、7日間の待期期間が終了したら開業届を提出しても問題ありません。

給付制限期間中に開業届を提出しない


自己都合で退職した方は7日間の待期期間終了後に、2か月間の給付制限期間があります。

給付制限期間は失業手当の給付はないので、アルバイトや副業などで収入を得ても問題ありません。しかし、収入があった場合は、ハローワークに申告することが必要です。

また、収入や労働時間が多すぎると事実上の再就職と判断されたり、失業手当が減額される可能性があります。

給付制限期間中にアルバイトをするのであれば、事前にハローワークに確認するといいでしょう。

給付制限期間のうち最初の1か月で開業届を提出して事業を始めた場合は、失業手当の受給資格を失ってしまいます。そのため、自己都合退職で再就職手当を申請するのであれば7日間+1か月が経過してから開業届を提出するようにしましょう。

失業保険で不正受給をした場合の罰則は?

受給する資格がなかったのに失業手当を受け取ってしまった場合は、不正受給となります。

不正受給が発覚すると以下のような罰則があります。

・残りの失業給付を受ける権利が無くなる

・支給を受けた金額の2倍に相当する金額の納付を命じられる

(受給していた手当も返還するので合計3倍)

・悪質な場合は詐欺罪で刑事告発される

失業してお金に困っているからと言って不正受給をすると、最悪の場合逮捕され懲役刑を受ける可能性もあります。

自分に受給する資格があるのかをしっかりと確認・相談して、不正受給は絶対に行わないようにしましょう。

まとめ

会社を退職してフリーランスを始める場合、再就職も検討しているのであれば失業手当を受給する対象になります。

失業手当を受給している期間は、就職活動を行う必要があり、フリーランスとしての仕事は少ししかできません。

フリーランスとして生きていくのであれば、失業手当をもらって生活するよりも、早めに事業をスタートした方が良い場合もあるので、しっかりと検討しましょう。

失業保険を不正受給すると、受給した金額を3倍にして返還しなくてはなりません。最悪の場合、刑事告訴されて刑務所に行く可能性もあります。

不正受給はせずに、ハローワークに確認しながら手続きを進めましょう。
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サックルマガジン編集部

デジタルクリエイティブの最新情報を発信する情報マガジン「サックルMAGAZINE」の編集部です。運営会社サックルは「ニーズがあるクリエイター集団でい続ける」を掲げ、創業13年目を迎えました。デジタル領域のプロとして、メディアを通じて多くのビジネスマンに有益な情報を発信しています。

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