源泉徴収ってなに?フリーランス向けに分かりやすく解説

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フリーランスは受け取る報酬から所得税が源泉徴収されていることがあります。
しかし、源泉徴収の意味をよく知らないという方も多いのではないでしょうか。
源泉徴収について理解していないと、確定申告で損をする可能性があります。
この記事では、フリーランスのための源泉徴収について解説します。

フリーランスの源泉徴収ってなに?

源泉徴収とは、給与や報酬を受け取る際に、納めるべき所得税が天引きされて、会社やクライアントが代わりに納税してくれる制度です。
会社員の場合は、給与明細に「源泉所得税」や「所得税」という名目で記載されています。
会社員は毎月、所得税が引かれていますが、この金額は給与の支給額を基準とした「目安」の金額です。そのため、年末調整で正しい所得税の金額を計算して、それまでに納めていた金額が多ければ、戻ってくるという仕組みです。



フリーランスの場合は、報酬を貰うごとに源泉徴収されます。しかし、クライアントが税金関係の処理をしっかりとしていない場合、源泉徴収されないことがあります。
フリーランスをしていると、クライアントごとに「請求書に源泉徴収額を入れて欲しい」と言われたり、何も言われずに請求書に源泉徴収額を記入しない場合もあると思います。
基本的にはクライアントはフリーランスに報酬を支払う際は、源泉徴収をしなくてはいけません。しかし、源泉徴収が徹底されていない実態があります。また、源泉徴収の義務が課されていない事業者もいるので、報酬を受け取る側では判断できないこともあります。
最終的には、フリーランスが確定申告をすることで、所得税を計算して正しい納税がされます。しかし、フリーランスが確定申告をしなかったり、正しい納税をしなかった場合は、源泉徴収をしていなかったクライアント側にも責任が及ぶことになります。
下の画像はフリーランスの請求書の画像です。報酬額に対して、源泉徴収をされるので2,494円が引かれています。



この源泉徴収された金額は、クライアントが代わりに税務署に支払いをします。そして、フリーランスが確定申告をする際に、これまでに支払った所得税が多ければ還付され、少なければ追加で納めることになります。

フリーランスの源泉徴収の対象となる報酬

源泉徴収の対象となる報酬は以下の通りです。源泉徴収は基本的に、個人に支払う報酬が対象となります。

  1. 原稿料や講演料など

  2. 弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金

  3. 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬

  4. プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金

  5. 映画、演劇その他芸能(音楽、舞踊、漫才等)、テレビジョン放送等の出演等の報酬・料金や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金

  6. ホテル、旅館などで行われる宴会等において、客に対して接待等を行うことを業務とするいわゆるバンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金

  7. プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金

  8. 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金


参考:国税庁「源泉徴収が必要な報酬・料金等とは

上記の項目は、国税庁のサイトに源泉徴収が必要な料金・報酬として掲載されているものです。しかし、これだけでは自分が源泉徴収の対象か分かりにくいので、フリーランスに多い仕事を挙げてみましょう。

Webライター、イラスト作成、作曲、音声録音、Webデザイン、広告デザイン、写真撮影、などは源泉徴収の対象です。

自分が源泉徴収の対象なのか不安な場合は、管轄の税務署に電話して確認しましょう。

報酬を支払う対照が法人の場合は、「馬主である法人に支払う競馬の賞金」のみが源泉徴収の対象です。

フリーランスの源泉徴収税額の計算方法

源泉徴収の義務者は、報酬を支払う側です。しかし、実際はフリーランスが請求書を作成するので、自分で源泉徴収額を計算する必要があります。

源泉所得税の計算方法


フリーランスの源泉徴収税額の計算は以下の通りです。

・報酬が100万円を超えない場合

報酬額×10.21%

・報酬が100万円を超える場合

 (報酬のうち100万円を超える部分×20.42%)+102,100円

源泉徴収には控除は存在しないため、単純に報酬額に税率を掛けるだけで計算可能です。

源泉所得税の納付方法と時期


源泉徴収した所得税は、報酬・料金等の所得税徴収高計算書に自分(源泉徴収した側)で記載して納付します。所得税徴収高計算書は、税務署の窓口でもらえます。

納付場所は銀行や信用金庫などの金融機関です。金融機関の窓口に所得税徴収高計算書を持参すれば納付可能です。



*引用:国税庁のホームページ

納付時期は支払いがあった翌月の10日までです。遅れた場合は、延滞税が課されるので注意しましょう。

毎月の納付はかなり手間がかかる作業です。そのため、事務負担を減らす目的で、半年に1回の納付で済む特例が設けられています。給与を支払う従業員が10名以下という条件がありますが、特例を利用したい場合は税務署に申請をしましょう。

フリーランスが源泉徴収で気を付けるポイント

フリーランスになったばかりで源泉徴収に慣れていない人は、以下の点に気を付けましょう。

消費税の扱いに注意!


源泉徴収は原則として、報酬に発生する消費税も源泉徴収の対象です。ただし、報酬の金額と消費税の金額が分けられている請求書であれば、消費税を抜いた金額だけを源泉徴収の対象とできます。

◆請求書に「110,000円(税込み)」とだけを記載した場合

110,000円×10.21%=源泉徴収税11,231円

◆請求書に「100,000円、消費税等10,000円」と記載をした場合

100,000円×10.21%=源泉徴収税10,210円

源泉徴収は確定申告で清算を!


フリーランスは、報酬の支払いごとに源泉徴収されていますが、これはあくまで前払いの所得税です。

正しい所得税は、確定申告で1年間の所得から各種控除などを差し引いて計算します。そのため、確定申告で計算した所得税から前払いしている所得税を差し引かないと、二重で税金を支払うことになります。

例えば、1年間の所得税が10万円で、源泉徴収が5万円だった場合、差額の5万円を確定申告で支払います。

また、赤字だった場合などには、源泉徴収された所得税が還付されることもあります。

源泉徴収された金額は、源泉徴収した事業者が作成する「法廷調書」で確認できます。

法定調書とは、報酬を支払った事業者が毎年税務署に提出する書類です。そのため、必ず作成してあるので源泉徴収した事業者に発行をお願いしましょう。

法定調書のサンプルは下の画像です。



*引用:国税庁「光ディスク等による法定調書の提出

上記の法定調書を見たらわかる通り、誰が・誰に・いくら支払ったかということが書かれています。

住所や個人番号も記載があるため、フリーランスがいくら報酬を受け取ったかを税務署は完全に把握しています。

確定申告をしなかったり、不正をした場合は、このような法定調書からバレてしまうこともありますので、正しく確定申告をしましょう。

まとめ

会社員をしていると源泉徴収の知識は必要ありません。そのため、フリーランスになったばかりの人は、源泉徴収の意味が分からず苦労するのではないでしょうか。
まずは、自分が行っている仕事は源泉徴収の対象なのかを確認しましょう。
源泉徴収の対象であるならば、取引先から依頼があった場合は自分で金額を計算して請求書を作成する必要があります。
源泉徴収された金額は、確定申告の前の時期になると、取引先からもらえる法定調書で確認可能です。
確定申告で源泉徴収された金額を清算しないと、二重で所得税を支払うことになるので気を付けましょう。
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