本記事では、SNSがビジネスツールとして存在価値を高めてきたことを背景に、フリーランスがどのようにSNSを活用すれば良いのかや、SNSを活用してフリーランス同士が横のつながりを持つことの重要性、またSNSを活用する上での注意点などについて解説します。
フリーランスにとってSNSは重要なビジネスツール
セルフブランディング
セルフブランディングのためにSNSが活用されるケースが増えています。フリーランサーとしてSNSのアカウントを作成し、様々な情報を発信しています。インフルエンサーとして商品などを紹介することで、SNS上で収益化を実現している人も大勢います。SNSの自己紹介欄にリンクを載せることで、多くの人と接点を持つことが可能です。
コミュニケーションツール
SNSをコミュニケーションツールとして活用する方法も一般的です。そもそもSNSは「ソーシャルネットワーキングサービス」であり、社会的なつながりを生み出すものです。コミュニケーションツールとしての使い方は、SNSの本来あるべき姿だといえるでしょう。
例えば、SNSで他のフリーランスやクライアントとコミュニケーションを取ることが考えられます。SNSには多くのユーザーが存在するため「既知の友人」ではない人とでも簡単にコミュニケーションが可能です。
集客ツール
ブランディングツールの延長線上として、集客ツールとしてSNSを活用する人も増えています。例えば、クリエイターが自身の制作物をSNSで発信することで、興味を持ったクライアントから連絡が入ることがあります。多くの人に作品を見てもらい、その中には当然クリエイターを使う側の人間もいて、アピールすることもできます。特にクリエイターにとってはSNSの利活用は必須と言えるでしょう。
フリーランスのためのSNS活用方法
さらなるブランディングの展開
解説したとおり、SNSはセルフブランディングのツールでもあるため、さらなるブランディングを展開すべきです。近年は、多くのフリーランスがSNSを利用したセルフブランディングを展開しているため、十分に力を入れなければ埋もれてしまいます。ブランディングが甘く、その他のフリーランスに埋もれてしまうと、思うように案件を獲得したり稼いだりすることはできません。
さらなるブランディングに向けては、有益な情報を発信していくことが重要です。例えば、海外ではトレンドになりつつある技術や考え方について、いち早く日本語で解説することが挙げられます。できるだけ他のフリーランスが発信していない情報を選ぶことで「最新のトレンドを理解したフリーランス」というブランディングができるのです。
また、本来は有料であるような情報を思い切って無料で発信する選択肢もあります。情報発信することで、他のフリーランスに手の内を示すことにはなってしまいますが、それだけの情報を発信する余裕があるフリーランスというブランディングが可能です。
解像度の高いポートフォリオの提示
可能な限り解像度の高いポートフォリオを提示して、自分のスキルを伝えることを意識しましょう。フリーランスのスキルは、今までの実績をもとに判断されることが多いため、クライアントに伝わりやすいポートフォリオを準備することが大切です。
例えば、エンジニアのポートフォリオは実際に制作したWebサイトやツールなどを示した方が良いでしょう。デザイナーのポートフォリオは、デザインした内容や画像・イラストなどを示してSNSで発信することが理想的です。できるだけ投稿と同時に確認できる形で発信することで、クライアントの目に止まりやすくなります。
ただ、どのような業界においても、秘密保持義務契約が結ばれている場合があります。この状況では自由にポートフォリオとして提示できないため、その点は注意しなければなりません。
案件へのアプローチや獲得
積極的にSNSで案件へとアプローチし、獲得を目指していくことが大切です。解説したとおり、セルフブランディングの結果案件が舞い込んでくる可能性はありますが、自分から積極的に獲得を目指しましょう。自分が得意とする分野についてSNSで検索することで、フリーランスを求めるクライアントが見つかる可能性があります。
案件へとアプローチする際は、挨拶や保有しているスキル、単価や納期などに触れることが重要です。状況にはよるものの、基本的には最初から必要な情報を全て提示することで、クライアントが依頼するか判断しやすくなります。
なお、誰でも閲覧できる場所で案件へとアプローチすると、個人情報や案件の単価が他のフリーランスにバレてしまうかもしれません。そのため、SNSに用意されているダイレクトメッセージなどの機能を活用しましょう。
集客へ繋がるコミュニティへの参加
SNSの中には、コミュニティ機能などが用意されているものがあります。例えば、Facebookにはグループ機能が用意されていて、同じ目的を持ったユーザーが集まれるようになっているのです。フリーランス同士がコミュニケーションを取るものもあれば、案件を探すようなものもあります。
コミュニティ機能が存在するSNSを利用するならば、このような案件の獲得や集客につながるものへ参加すべきです。本来、SNSでのつながりはフォローしたりされたりすることによって生み出されると考えられます。しかし、コミュニティを利用すれば、そのような関係ではなくとも気軽にコミュニケーションを取ることが可能です。
フリーランスがSNSを活用する際には、SNSの中でもチャネルをできるだけ増やすことを意識した方が良いでしょう。単なる情報発信だけではなく、ダイレクトメッセージやコミュニティへの参加など、他のユーザーと多くの設定を持つべきです。
SNSを活用してフリーランス同士の横のつながりも
フリーランス同士で仕事を分担できる
フリーランス同士のつながりを持っていれば、仕事を分担できる可能性があります。フリーランスは個人で仕事をこなすと考えられがちですが、実際には協力しなければならない場面もあると認識しましょう。
例えば、Webシステムの開発では以下の作業が必要です。
- 画面のデザイン
- ボタンなどのパーツ作成
- 画面のコーディング
- プログラム開発
これら全てをこなせるフリーランスならば一人で対応できますが、どれかに特化していることは多いでしょう。一人で対応できないと失注することになりますが、横の繋がりがあり協力できる環境が整っていれば、分担して受注できます。
新しいクライアントを獲得できる
SNSはコミュニケーションのハードルが低いことから、新しいクライアントを獲得できる可能性があります。例えば、他のフリーランスがクライアントに対して自分のアカウントをメンションしてくれることで、新しい案件の獲得につながるかもしれません。
横のつながりがあれば、他のフリーランスが対応できない仕事が自分に舞い込んでくる可能性があります。セルフブランディングだけで戦う選択肢はありますが、横のつながりを持ち、お互いにクライアントを紹介できるような環境作りも心がけておきましょう。
フリーランスがビジネスツールとしてSNSを利用する際の注意点
活用するSNSを見極める
SNSの中でも、どのSNSでアカウントを作成し情報を発信するか見極めましょう。例えば、ユーザー数の多さで評価するならば「Facebook」、日本での利用者が多くフリーランスの情報発信が目立つ「X(旧Twitter)」、写真やイラストなどを他のSNSよりも添付できる「Instagram」などの選択肢が考えられます。
活用するSNSを間違えると、思うようにセルフブランディングできなかったり案件を獲得できなかったりします。時間は有限であるため、自分が特に活躍できる場を見極め、効率よく活用することを意識しましょう。
ビジネス色を出しすぎない
SNSのアカウントは個人アカウントと法人アカウントに大別されます。フリーランスの場合は、個人アカウントに分類されるため、ビジネス色を出しすぎないように意識しましょう。
あくまでも、個人が投稿する中にブランディングを含めることが重要です。ビジネスに特化したアカウントとして活用する方法もありますが、ビジネス以外の情報も交えた活用をおすすめします。
投稿時間に注意する
投稿時間に注意して、多くの人が投稿を見てくれるようにしましょう。例えば、有意義な情報はSNSのアクティブユーザーが多い21時頃に投稿するなどです。ユーザーが多い時間帯に投稿すれば、情報が拡散される可能性が高まり、セルフブランディングに役立ちやすくなります。
逆に、深夜に投稿するとSNSのアクティブユーザーが少なく、情報が拡散される可能性も下がってしまいます。有意義な情報発信でも無駄になりかねないため、適当な時間に投稿しないようにしてください。