フリーランスのための健康保険ガイド!加入手続きや必要書類も分かりやすく解説

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フリーランスとして活動するのであれば、すべての手続きを自分でする必要があります。

各種手続きの中でも健康保険への加入は、すべてのフリーランスに関わることです。しかし、いままでは会社員だったので手続きの方法が全然分からないという方も多いはず。

そこで今回はフリーランスのための健康保険の選び方・加入手続きについて解説します。

フリーランスの健康保険には3種類ある

フリーランスの健康保険は国民健康保険(国保)だけだと思っている方も多いですが、実はフリーランスの健康保険には3種類あります。ここでは健康保険の種類について解説します。

国民健康保険(国保)


フリーランスや個人事業主が加入している割合が一番多いのが、国民健康保険(国保)です。一般的に国保というと、市区町村が運営している健康保険を指します。

国保は市区町村により保険料が変わってきます。市区町村が計算シートを提供していることも多いので、ホームページを確認してみてください。

東京都千代田区が提供している健康保険料計算シートはこちら

イメージが付きやすいように、下記の条件で健康保険料を計算してみます。

・35歳

・フリーランスの所得が350万円

・独身

この場合の年間保険料は333,503円(令和3年度)になります。

ちなみに、ここでいう所得は売上から経費等を差し引いた金額です。また、青色申告特別控除などの各種控除も差し引かれます。

国保組合


国保組合とは同業種の組合員で構成された組織です。

たとえばWebライターやデザイナーのフリーランスには文芸美術国民健康保険組合が人気です。文芸美術国民健康保険組合に加入するには、まず加盟団体に入会する必要があります。

加盟団体の一覧はこちらから確認できます。基本的に入会金や年会費が発生しますので、事前に確認しておきましょう。

国保組合のメリットは、所得が多くても少なくても保険料が一定という点です。文芸美術国民健康保険組合の場合は、月額21,100円(満40歳~64歳までは介護保険料5,200円が加算

)、家族は一人に付き11,600円です。

保険料が一定なので所得が多い人ほど、組合健保に加入するメリットがあります。

社保を任意継続


会社員からフリーランスに転身した場合は、社保を任意継続するという選択もあります。社保とは会社員のときに加入していた健康保険です。会社を退職後も社保を継続することを任意継続と言います。

任意継続は会社員時代の給与をもとに計算されます。

・35歳

・会社員時代の毎月の給料が28万円

上記の条件で任意継続をすると、年間保険料は299,040円です。保険料は会社員時代の2倍なので、給与明細で確認してみましょう。

任意継続は、扶養家族がいても追加の保険料支払いがありません。そのため扶養家族が多い場合は、国保などと比べて保険料がお得になる可能性があります。

ただし、扶養家族になる条件は下記があります。

・扶養家族の1年間の収入が130万円を超えていない

・扶養家族と同居している

扶養家族がいる場合は条件に当てはまっているか確認してみましょう。

任意継続には注意点が2つあります。

会社員時代よりも保険料が高くなる

会社員の社保の保険料は会社と折半して支払っています。給料から天引きされている保険料は、本来支払う保険料の半分ということです。

フリーランスになると折半していた保険料をすべて自分で支払わなくてはなりません。そのため、保険料は会社員時代に支払っていた金額の2倍になります。

2年間しか任意継続できない

社保の任意継続は2年間までと決められています。任意継続をして2年が経過した後は、国保か組合国保に移らなくてはいけません。また、2年間の間は途中で国保や組合国保に移ることはできません。

任意継続するか国保に加入するかは判断が難しいところです。それぞれの保険料をしっかりと確認して、お得な方を選ぶようにしましょう。

フリーランスの健康保険への加入の仕方や必要書類

フリーランスになると各種手続きを自分でする必要があります。ここでは健康保険への加入の仕方や必要書類について解説します。

国民健康保険(国保)


国保に加入する場合は、会社を退職してから14日以内に手続きが必要です。手続きをする場所は、住民票がある市区町村の保険年金課です。

必要書類は下記の通りです。

・健康保険資格喪失証明書

・本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証)

・印鑑

健康保険資格喪失証明書は在籍していた会社が発行してくれます。法律により発行が義務付けられているので、なかなか発行されない場合は会社に問い合わせてみましょう。

また、口座振替の手続きも同時にできるので、希望する方は銀行のキャッシュカードを持参しましょう。

手続きが完了するとその場で健康保険証が発行されるか、後日郵送になります。

組合国保


組合国保は加入する組合により必要な手続きが多少異なるので、ここでは先ほど例に挙げた文芸美術国民健康保険組合について説明します。

前提として、文芸美術国民健康保険組合に加盟している団体の会員でないと加入ができません。まずは、加盟団体に加入しましょう。

加盟団体に加入したら、加盟団体経由で組合健保への加入申請をします。申請書類も加盟団体から入手します。必要書類は下記の通りです。

加入申込書

加盟団体証明書

確定申告書の控え(税務署の受領印があるもの)

作品例

住民票

預金口座振替依頼書

①②⑥は加盟団体から入手できます。加入が認められたら、国保に加入している人は市区町村に退会の手続きが必要です。

社保を任意継続


任意継続する場合は会社を退職してから14日以内に、加入していた健康保険に対して申請が必要です。

必要書類は加入していた健康保険により異なりますが、概ね下記の通りです。

・申請書

・退職日が確認できる書類(退職証明書写し、健康保険被保険者資格喪失届写し等)

・被扶養者現況申立書(被扶養者がいる場合)

必要書類のフォーマットは、加入していた健康保険のホームページでダウンロードできる場合がほとんどなので確認してください。

フリーランスが病気で仕事ができないときのために「賠償責任保険」

健康保険に加入しているので、病気や怪我をしても治療費の心配が少なくなります。しかし、入院をしたり体調が悪く仕事ができなかったりする場合は、請け負っていた仕事を完了させられません。その結果、納期が遅れて損害賠償を求められることも。

そんな時に役に立つのが賠償責任保険です。

賠償責任保険とは


フリーランスとして仕事をしていると、下記のような損害賠償のリスクが発生します。

・納品の遅れにより顧客に損害を与えてしまった

・コワーキングスペースなどの利用で設備を破損してしまった

・自転車での配達中に通行人とぶつかり、怪我をさせてしまった

・パソコンがウィルスに感染して、顧客の情報を漏洩させてしまった

・納品物に著作権侵害があるとして損害賠償請求をされてしまった

これらは、ほとんどのフリーランスに起こりうることです。安定して長期的に仕事を続けていくには、リスクへの備えが大切です。これらのリスクをカバーするのが損害賠償保険です。

おすすめの賠償責任保険


人気がある賠償責任保険は、フリーランス協会の「賠償責任保険」とGMOクリエイターズネットワーク株式会社の「あんしん補償」です。

フリーランス協会に加入すると、自動的に賠償責任保険が付帯されます。フリーランス協会の年会費は1万円なので、月額に換算すると約833円です。

また、GMOクリエイターズネットワーク株式会社が運営しているFREENANCE(フリーナンス)では、無料の会員登録をすると「あんしん補償」という損害賠償保険を受けられます。

さらに、月額料金は発生しますが「あんしん補償プラス」に加入すれば、入院をして失った分の収入を補償してくれるサービスもあります。

フリーランスを長年続けていると、必ず体調を崩す時期も出てきます。そんなときに、収入が減ったり損害賠償請求されたりしても焦らないように、損害賠償保険を検討しておきましょう。

まとめ

フリーランスになると自分で健康保険の加入手続きをする必要があります。

フリーランスの加入できる健康保険には、国民健康保険・組合健康保険・任意継続の3種類があります。

収入や家族の状況により、どれを選んだら得になるかが変わります。一番保険料が安くなる健康保険を探しましょう。

また、フリーランスは病気や怪我をして、働けなくなったり損害賠償を請求されたりした場合への備えも大切です。損害賠償保険の活用も検討してみましょう。
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