マーケティングに応用可能な13の心理学手法

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心理学のテクニックを活かしたマーケティングの仕掛け

人間の深層心理を理解することで、表面的ではない本質的なマーケティングが可能になります。

逆に言えば、すぐれたマーケティングをよく精査すると、そこには必ずと言っていいほど心理学の痕跡が確認できます。

この記事では、マーケティングの精度を高めるための心理学の手法をご紹介します。

心理学とは? その根底にある2つの概念

ウィキペディアで「心理学」を調べると以下のような記載があります。
“心理学とは、心と行動の学問であり、科学的な手法によって研究されている。・・・・

心理学の主な流れは、実験心理学の創造、精神分析学・行動主義心理学・人間性心理学・認知心理学・社会心理学・発達心理学である。21世紀初頭においては、認知的な心理過程に関心を向けた認知心理学が支配的な位置を占める。”

つまり現在の心理学の主流は「認知心理学」であり、人間の知覚や記憶、理解や学習、あるいは問題解決や意識状態などが深く研究されているのです。

そして、この「認知心理学」は世の中のいろいろな所で応用され、マーケティングとも密接な関係があると言われています。

後ほど、マーケティングと深い関係を持つ具体的な心理学の効果や原則などについて紹介しますが、その前にまず、それらのベースとなる二つの概念をおさえておきましょう。

ヒューリスティック


一つ目に紹介する概念は「ヒューリスティック」です。

ヒューリスティックとは、心理学において「発見的手法」という意味の用語として用いられ、「必ずしも正しい回答を導けるわけではないものの、ある程度正しい回答に近いレベルの答えを得ることができる方法」のことを指します。

ヒューリスティックは、これまで培ってきた経験や勘などを基にほとんど直感的に答えを導く方法であり、回答に至るまでの時間が短縮できるという特徴があります。

人間の脳は、基本的にできるだけ楽な方法を選ぶ傾向があり、自分では論理的に考えたつもりでも、このヒューリスティックによって導かれた回答であるということは往々にしてあるのです。

後ほどご紹介する具体的な心理学の法則や原則においても、このヒューリスティックが働いているケースが非常に多いと言えます。

バイアス


続いてご紹介する概念はバイアスです。

「バイアスがかかる」という使い方がしばしばされますが、心理学においてバイアスとは「思考の偏り」を意味します。

  • 血液型がO型の人のことを、おおざっぱだと思う(確証バイアス)

  • 何か問題が起きたとき、自分ではなく他人に原因があると考えがち(自己奉仕バイアス)

  • 結果が悪ければ、過程がどれだけ良くても意味がないと感じる(信念バイアス)


上記のような思考や考えは全てバイアスの影響下にあると言えます。

先程ご紹介したヒューリスティックにより導かれた答えも、その人の経験や思考を基にして行われるため、その多くはバイアスがかかったものになるのです。

このあとご紹介するハロー効果も典型的なバイアスと言えるでしょう。

マーケターがおさえておくべき心理学11選

ここからは、マーケティングを行ううえでおさえておきたい具体的な心理学の法則や原則などを11通りご紹介していきます。

アフォーダンス効果


アフォーダンスとは、過去の体験や経験などをもとに、特定の条件と特定の行動が結びつけられてしまうという効果のことを指します。

簡単に言えば、「モノの形状や特徴を見ることで、どういった行動を取ればいいのか、どういう結果が得られるのかが想像できる」ということです。

例えば、以下のような例がアフォーダンスの効果と言えます。

  • 水道の蛇口を見れば、それを回すことで水が出るとわかる

  • Webサイトの青色の文字・文章はリンクであることがわかる


Webマーケティングにおいては広告のバナーやお問い合わせボタン等に応用されています。歯車マークを見れば、そこで各種設定ができると瞬時に判断できるのも、その効果と言えるでしょう。

顧客に対して、どういう行動を取ればどういう結果が得られるのかを端的に示すことで、効果を最大化することができます。無数にあるWebサイトの見た目がある程度似たものになる理由もここから説明ができます。

アンカリング効果


最初に見た条件を基準にしてしまい、その後もその基準で物事を判断してしまうという心理効果です。

漫才の日本一を決めるM-1グランプリで、出演者が1番目の出番を避けたがるのは、それにより自分たちの「ウケ」が基準になってしまうことの不利を感じ取るからです。後から出てくる演者ほど、「もっと面白いものを見れるに違いない」という視聴者の期待の波に乗れる可能性が高くなるわけです。

このアンカリング効果も、マーケティングではおなじみです。例えば通販番組で、最初に「100万円」という価格を提示され、そこから「特別価格80万!」とか「今ならキャンペーン価格で割引20%OFF!」と提示額が変化すると、よりお得感を感じ、割安であるという錯覚に陥ります。

こういった割引は人の購買行動に与える影響が大きく、まさにアンカリング効果を応用した戦略と言えるでしょう。

ウィンザー効果


人が他人や第三者の評価や意見を信じやすいことは、さまざまな心理学者の実験で証明されています。

この心理現象をウィンザー効果と呼びます。

旧来のマーケティングでは、TVに有名タレントを出して商品の宣伝を行いました。しかし最近の消費者は、こうした広告に不信感を持つ人が増えています。

広告感を出さない広告手法として脚光を浴びているのが、「自分に似た他人」の評価を見せること、金銭や契約が介在しない素の評価をありのままに示すことで、ユーザーに「自分で選んでいる」という感覚を持たせ、信頼を勝ち取ろうという手法です。

具体的には食べログやぐるなび、Amazonや楽天市場の口コミなどが挙げられるでしょう。

カリギュラ効果


人間というのは面白いもので「絶対に言わないでね!」「絶対に見ないでね!」「絶対に押さないでね!」と言われると、言いたくなり、見たくなり、押したくなるものです。

カリギュラ効果はこのように「禁止されると、より一層そのことをやりたくなってしまう」という心理現象を指します。

コピーライティングにおいて、このカリギュラ効果を用いることがあります。

「売上よりもデザインを重視したい方は問い合わせしないでください。なぜなら私たちは、事業の成長や効果を高めるWebサイト制作に特化し、成果を上げているからです。」

「○○○の方はご遠慮ください、しかし○○○の方にはオススメです」

といった具合です。

カリギュラ効果を意識して使うと、興味を持ってもらえるだけでなく、顧客側に「自分で選んだ」感を持ってもらいやすくなります。

ヴェブレン効果


ヴェブレン効果とは、「高級」であるということ自体に価値を感じて購買行動を起こしやすくなるという心理効果です。

例えばランボルギーニやフェラーリといった何千万円もする車は、意外なことに発売するとすぐに売り切れるそうです。仮にこの車が200万円で販売されていたとしたらどうなっていたでしょうか。

ハイブランド車としての価値が損なわれ、大衆車の1つとして埋没してしまったかもしれません。

原価がいくらかとかは度外視して、高価であること、その車が高価であることが世間に知られている事に価値があるわけです。

ハロー効果


ハロー効果とは、人が物事の評価をするとき、その一部の特徴に引きずられて、全体に対して偏った評価をしてしまうことを指します。ハローとは後光のことで、後光効果などとも呼ばれます。直感や先入観など、非合理的な心理現象である「認知バイアス」の一種です。

たとえば好意を持つ相手に対して、本来であればマイナスの評価をするはずの人物であったとしても、好意というその後光の影響によって、全体としてプラスの評価をしてしまうということはよくあります。

イケメンがいい人そうにみえたり、美人が近づきがたい印象をもたれたりするのもハロー効果によるバイアスと言えるでしょう。

企業が広告に美男美女を使いたがるのもその一例です。しかし一方で、企業が運用するSNSで炎上騒動が起きた際、その対応を誤れば一気にブランドイメージの失墜を招きます。一度悪い印象をもたれると、それまでのイメージが良ければなおさら、深刻な悪影響をもたらすことにもなるので注意が必要です。

返報性の原則


人には人から何かをもらった時、「お返ししないと…」という気持ちになる心理があります。

これが「返報性の原則」と呼ばれる心理現象です。

返報性の原則には「好意の返報性」や「敵意の返報性」、「譲歩の返報性」など、様々な種類がありますが、マーケティングにおいて役立つのは「好意の返報性」でしょう。

スーパーマーケットにおける試食・試飲や洋服の試着、化粧品の無料サンプルなどは、「好意の返報性」を利用しているマーケティング施策と言えます。

他にもSNSで「いいね」してくれた人の投稿に、「いいね」を返してあげたくなるといった心理も好意の返報性の代表例です。

ザイオンス効果


ザイオンス効果とは「単純接触効果」とも呼ばれ、何度も接触を繰り返すうちに、その対象に対して好感を抱く心理現象のことを指します。

例えば飲料水のCMで、最初は何も意識していなかったにもかかわらず、何度もCMを見るうちに、「ちょっと試しに買ってみようかな…」と思ったことはありませんか。

これはザイオンス効果によるものです。

他にも以下のようなマーケティング施策がザイオンス効果の応用とされます。

・営業担当者の定期訪問

・メルマガ

・リターゲティングなどのWeb広告

繰り返し接点を持つことでロイヤルティを高める狙いがあります。

松竹梅の法則


人間には、同じ系統の商品の購入を検討する際、価格帯が真ん中に位置する商品を選ぶ傾向があります。

これが松竹梅の法則と呼ばれる心理現象です。

例えば、以下のように3つの掃除機があったとします。

  • 掃除機A:8万円

  • 掃除機B:5万円

  • 掃除機C:2万円


この場合、多くの人がBを選ぶ傾向があるということです。

一番値段の高いAには割高感を感じ、一番安いCには品質面などで不安を感じる。Cと比べて機能が充実していて、Aより割安感のあるBに目が行くというわけです。

飲食店などでは頻繁に用いられるマーケティング手法で、主力にしたい商品をBの位置におくことで注文数を増やすという使い方もできます。

選択のパラドックス


選択のパラドックスとは、選択肢が多ければ多いほど選ぶことが困難になるという心理現象です。メニューの多すぎる料理屋で辟易した経験がある人も多いのではないでしょうか。

決定回避の法則と呼ばれることもあります。

商品やサービスのラインナップが豊富にあると、顧客側にとってもメリットがあるように思われますが、実際は逆効果になりかねないのです。

多くの選択肢の中から、自分にとって適切なサービスを選ぶという行為は、皆さんが思っている以上に脳に負荷をかけています。

先ほども書きましたが、人間は本能的に脳への負荷を低減しようとするため、選びやすい方へ、悩まずに済む方へ、流れていきやすい習性があるということです。

マーケティングにおけるサービスライン設計の際は、是非押さえておきたい心理現象と言えるでしょう。

バーナム効果


バーナム効果とは、誰にでも当てはまるような普遍的な特徴を言われた人が、「自分のことを言っている」「自分のことを分かっている」と勘違いしてしまう心理現象です。

占いなどでも多用されている心理現象ですが、マーケティングにおいては広告のキャッチコピーやLPのリード文などに活用できます。

例えば、以下のようなフレーズはバーナム効果を活用しています。

  • 部下の育成にお困りではありませんか?

  • 「最近目が疲れた…」と感じているそこのあなたに朗報です

  • 頑張っているのに、なかなか会社が評価してくれないとお悩みの方へ


多くの人に当てはまる内容ですが、読んだ人は「自分のことだ!」と感じ、その先の内容を自分のこととして読み進めてしまうわけです。

スノッブ効果


スノッブとは、上品ぶるなどしていて鼻持ちならない人のことを指します。

マーケティングに活用できるスノッブ効果とは、多くの人が持っている物には興味を感じず、逆に持っている人が少ない物に興味を持つという人間心理に対応するものです。

マーケティングにおけるスノッブ効果の代表例としては、「数量限定」など希少性をアピールして興味をそそる手法があります。

ディドロ効果


人には、これまでにない何か理想的な物を手に入れたとき、それに合うような物で自分の身の回りを統一したいという欲求を持つことがあります。

たとえば気に入ったジャケットを手に入れたら、それとフィットするシャツやパンツや靴をそろえたくなるだけでなく、髪型や態度などもそれに合わせようとする傾向があります。

その指向性をうまくたどれば、売れ筋のジャケットを売るだけでなく、それとフィットするシャツや靴もあわせて売ることができるわけです。

まとめ

思えば商品開発もマーケティングも、現代は顧客満足を高めることが主目的として行われるため、人間の深層心理を研究する心理学と相性が悪いはずがありません。

今回ご紹介したマーケティングに活用可能な心理学の手法はほんの一部。自社のサービスや商品によりふさわしい心理学の手法で出会える可能性は高いです。

自社でのマーケティングに限界を感じるのであれば、マーケティング全般、とくにWeb施策に強みを持つサックルにご相談ください。

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サックルマガジン編集部

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