「自分の好きなことで稼げてうらやましい」
など、自営業に対してポジティブなイメージを持つ人は多いです。
「自営業でやっていけるのか」
「会社員経験しかないから不安」
しかし一方で、自分が自営業者になるとなると、不安を感じる人も少なくありません。
働き方が多様化し、クラウドサービスが普及した現代において、自営業や個人事業主、フリーランスや副業(複業)など、個人で稼ぐことができる仕事の幅も広がりました。
自営業は、自分の裁量で働くことができるため自由度が高く、能力や頑張り次第で稼げる金額も大きくなるため、とても魅力的に感じられます。しかし、誰もが自営業でポジティブな結果が得られるとは限りません。何事にも適正があり、自営業にも向き不向きがあります。
この記事では、自営業に向いている人、向いていない人の特徴を解説していきます。
自営業に興味を持っている人は、自分自身がどちらに当てはまるかを考えながら、ぜひお読みください。
自営業とは
店舗や会社経営以外に、クラウドサービスが普及した昨今では、PC1台で個人事業主になる人も珍しくありません。
自営業は、自分の裁量で働くことができるため自由度が高いですが、その分すべてにおいて責任が伴います。
個人事業主となってから3年以内で廃業に追い込まれる人が全体の約半数という調査結果もあることから、決して楽な道ではないことがわかります。少しでも失敗のリスクを下げるため、自分が自営業に適正があるかどうかを、事前に把握しておくことが重要と言えるでしょう。
自営業に向いている人の5つの特徴
ここでは、自営業に向いている人の5つの特徴を紹介していきます。自分に当てはまるか、確認しながらお読みください。
方針が明確で決断力がある
ほとんどの企業で理念や方針が掲げられているように、自営業者も方針をはっきりと定めることが重要です。
現代は情報が溢れ、収益化の手段も多岐にわたります。さまざまな選択肢に目移りし、あれもこれもと手を出していると、結局すべてが中途半端になって、明確な「強み」を持つことができません。
とはいえ、1つのアプローチに固執すべきではありません。方針通りに進めても事業が軌道に乗らない場合や、他に良い選択肢がある場合は柔軟に対応し、方針転換を厭わない姿勢も大切です。
すなわち、方針を明確に定めるだけでなく、適切なタイミングで決然と方針転換の判断を下す決断力も、自営業を成功させる上で極めて重要な性質と言えるでしょう。
責任感が強い
自営業は自由度が高いため魅力的ですが、その分、仕事全般に責任が伴います。
請け負った仕事を完遂することはもちろん、トラブルや失敗についてもすべて自分で対応する必要があります。
突き詰めると、事業が失敗して赤字となり、廃業に至った場合も、その結果はすべて自己責任になるということです。
責任感がある人は、例えば、期日内に必ず仕事を完結させます。品質に関しても手を緩めないでしょう。そうした自営業者は、取引相手から信頼され、次の仕事も任せてもらいやすくなります。責任感を持つことの重要性は、生活に直結するという点で、サラリーマン以上に自営業者にとって重要な要素であると言えるでしょう。
向上心があり、行動力もある
日々変化する世の中では、変わらない品質の商品やサービスを提供し続けるだけでは、事業の存続は難しくなります。特にIT技術の進歩は非常に速いため、向学心や向上心があり、新しいスキルや資格を積極的に身につけられる人でなければ、需要のある人材であり続けることが難しくなります。社会の変化に合わせて自分自身をアップデートし続けることが必要です。
同様に、案件獲得のためにはコネクションの構築や情報収集のためのセミナーへの参加など、積極的な行動力も不可欠です。そうした行動力がないと、いつまでも既存の行動範囲や人間関係から脱出することができません。人脈が広がらず、新しい情報も集まらず、事業の成長やリスク時の強度を期待しづらい状況に陥ってしまいます。
多角的に物事を見れる人
これは自営業に限らず、事業に携わるすべての人に言えることですが、事業を存続・成長させられる人は、多角的に物事を見ることができます。
1つの考えや方法に固執せず、立場を変えて物事を見たり考えたりできる人は、たとえ事業が危機的な状況に陥ったとしても、思考停止に陥らず、活路を見出しやすくなります。
また、目先の利益に捉われず、将来的なビジョンを持って投資をしたり、顧客の側から見た満足度や自身のセールスポイントを把握し、適切にブランディングすることも可能です。
セルフマネジメントが得意な人
会社員の場合、成果を出してもそれが報酬増に直結するわけではありません。しかし自営業の場合、仕事をしたらした分だけ収入が増加します。
そのためスケジュールを顧みず仕事を取りまくる人もいますが、それで納期が遅れたり健康を害してしまっては意味がありません。
収入とスケジュールをしっかりと管理し、事業の拡大とライフワークバランスの安定を確保する必要があります。
特にお金の管理は重要で、収入と支出を把握・予測し、確定申告などの対策をしっかり行って、手元に残るお金を減らさない努力をするべきです。お金の管理が向かない人は、よほど飛び抜けた技術を持つのでなければ、自営業者として成功するのは難しいでしょう。
自営業に向いていない人の3つの特徴
ここでは、自営業に向いていない人の特徴を3つ紹介します。当てはまる人は改善を目指すか、自営業を始める前に考えを改める必要があるでしょう。
自分で考えて行動するのが苦手
自営業を行う上では、すべてのことを自分で考えて行動する必要があります。
会社員の場合は、経営者や上司が方向性ややるべきことを提示してくれます。指示を受けてそれを遂行することが得意な人は多く、決して恥じることではありません。リーダータイプばかりでは社会は成り立たないからです。
しかし自分で考えて行動することに戸惑いを感じる人は、自営業に向いているとは言えないでしょう。
マルチタスクが不得手
あれもこれもとマルチタスクで業務を行うより、1つのことに腰を据えて打ち込みたいという人は、組織の中で輝くタイプかもしれません。他に従業員がいるなら別ですが、自分ひとりで自営業を行うのであれば、あらゆることを自分でやらねばならず、柔軟さや、瞬時に集中できる能力が必要です。
例えば会社員エンジニアとして働いている場合は、自分のタスクに終日取り組むことができますが、フリーランスエンジニアは、取引先や協業相手とのコミュニケーションが必須で、作業を中断して別のことを行い、また作業に戻って集中する、といった融通の利いた働き方が必要になります。
自営業の場合はそれ以外にも、案件獲得のための活動や、収支やスケジュールの管理、確定申告や保険などの各種手続きも並行して行わなければなりません。会社員に比べて1つの業務に集中しづらく、その状態であってもクオリティを維持しなければならないという壁があります。
失敗を恐れている
会社員の場合は「契約できなかった」「納期に間に合わなかった」といった失敗をしても、基本給が保障されているので、それで収入が減ることはありません。
一方で自営業の場合は、そもそも契約が取れなければ仕事を得られず、期日を超過すれば継続してもらえず、収入は安定しません。
会社員のように待遇が保障されているわけではないので「失敗したらどうしよう」「生活できなくなってしまう」といったプレッシャーにさいなまれるようだと、仕事に集中できず、本来の実力を発揮できません。
やり方次第でサラリーマン時代より稼げる、自分のやりたいように仕事を進められる、といった自営業のポジティブな面に目を向け、前向きにチャレンジしていくことが必要になるでしょう。
自営業の始め方と成功するためのポイント
自営業の始め方
自営業を始めるためには、以下の手順を踏むことが重要です。
業種の選定
スキルセット、人脈、市場の需要といった要素を考慮し、自分に適した業種を選びます。
開業場所の決定
事業形態や規模に応じて、自宅での開業から事務所や店舗の借り上げまで、適切な開業場所を検討します。
必要な手続き
開業に必要な手続きを進めます。個人事業主は開業届、法人の場合は法人登記など、公的手続きを漏れなく行います。
自営業で成功するためのポイント
自営業者が成功するためには、以下のポイントがあります。
情報収集の徹底
常にビジネスに影響を与える可能性のある情報をキャッチアップすることが重要です。技術、トレンド、法律改正など、事業に影響を及ぼす情報を見逃さないよう心がけましょう。
スモールスタートでリスク軽減
初めは小規模からスタートし、リスクを最小限に抑えることが賢明です。大きなプロジェクトや多額の投資は、初期の段階では避けるべきです。
自己投資の実施
成功するためには自己投資が欠かせません。知識やスキル、資格、人脈の向上に積極的に時間や資金を投じ、自分自身を成長させましょう。これにより、新たなビジネスチャンスが広がります。
まとめ
店舗や会社経営はもちろん、クラウドサービスを活用して個人事業主として働くなど、活動の場は多岐に渡ります。
自分の裁量で事業運営できるので、自由度の高さが魅力ですが、その反面すべての行動に責任が伴います。
適性がない人が自営業を行うと、廃業に追い込まれてしまうケースも少なくなく、精神的な負担も大きいです。
これから自営業を始めようとしている人は、ぜひ本記事を参考にしていただき、自身が自営業に向いているのかチェックしてみてください。