この記事ではマーケティングにおける継続率の概要やメリットを踏まえつつ、計算方法は勿論、向上させるための代表的な方法について簡単にご紹介していきます。
マーケティング施策を改善して、事業の安定性を高めたい方は、是非最後までご確認ください。
マーケティングにおける継続率
■マーケティングにおける継続率とは
マーケティングにおける継続率とは、自社の製品やサービスを初めて購入してくれた顧客のうち、再度購入してくれた顧客の割合のことです。
リピート率とも呼ばれていますね。
計算方法については後ほど詳しく解説するので、ここでは割愛します。
一般的な継続率は30~40%程度が平均とされていますが、製品・サービスのタイプによって多少異なってくるでしょう。
例えば継続利用の見込みが高いブランド化粧品や健康食品などであれば、継続率は先の平均を上回り40~50%程度が多くなります。
逆に買い替えの頻度が低いとされる高額な電化製品などは20~30%程度となり、平均を下回る形になるのです。
■リピーター率との違い
よく混同される指標としてリピーター率というものがありますが、両者は全く異なる指標です。
リピーター率は一定期間に製品・サービスを購入してくれた顧客のうち、既存顧客がどれだけいたのかを示す割合となります。
例えば4月から9月にかけて、製品・サービスを購入してくれた顧客が100人いたとして、そのうち既存顧客が60人であった場合、リピーター率は60%となるわけです。
このように既存顧客の割合を把握できるものの、マーケティングにおいては継続率の方が重要と言えます。
継続率の重要性については、次のメリットを通じて確認してみましょう。
継続率を向上させるメリット
■メリット①:顧客が満足しているか確認できる
まずメリットとして挙げられるのは、顧客が満足しているかの判断材料となるという点です。
初めて製品・サービスを購入した新規顧客は、製品・サービスに満足すれば、新たに購入するはずです。
逆に満足しなければ別の製品・サービスを利用することになります。
そのため継続率を計算することで、自社の製品・サービスに対する顧客満足度を確認できるというわけです。
■メリット②:事業の安定性を把握できる
また事業の安定性を把握できることも、メリットの一つとして挙げられるでしょう。
継続率は先ほどお話した通り、顧客満足度の指標でもあります。
顧客満足度が高ければ将来的な売り上げも見込め、事業も安定していくことが予想できますが、逆に顧客満足度が低い場合は事業の安定性も低いと言えます。
そのため継続率をしっかり把握しておくことで、もし事業の安定性に問題があった場合でも、取り返しがつかなくなる前に適切な対策を講じることができるでしょう。
■メリット③:マーケティング施策の最適化が可能
マーケティング施策の最適化が可能である点も見逃せません。
継続率が高い場合の要因を分析し、そこに貢献しているマーケティング施策に対して予算を分配するといった活用の仕方ができるわけですね。
逆に継続率の向上に貢献できていないようなマーケティング施策は、工数も費用も削減することで、全体的な効果を高めることもできると言えます。
継続率の計算方法
■継続率の計算式
継続率は自社の製品やサービスを初めて購入してくれた顧客のうち、再度購入してくれた顧客の割合でしたね。
そのため計算方法は非常にシンプルになります。
具体的な計算式としては、以下のようになります。
【継続率の計算式】
継続率=(再購入者数÷全初回購入者数)×100
■継続率の計算例
それでは上記の計算式とサンプルのデータを用いて、計算してみましょう。
例えば、とある月に自社の製品・サービスを初めて購入してくれた顧客が1,000人いたとしましょう。
そのうち300人が再度自社の製品・サービスを購入してくれたとします。
その場合の継続率は以下のようになります。
継続率=(300÷1,000)×100=30%
継続率を向上させるための方法
■方法①:顧客を分析する
まず挙げられるのは顧客を分析するという点です。
CRMやSFAなどのツールを活用し、顧客に関する様々なデータを蓄積しておき、それを分析することで、顧客の購買傾向やニーズなどを予測することができます。
これらの分析内容を基に、マーケティング施策を改善することで、継続率向上に繋げることができるでしょう。
■方法②:定期的なコンタクトを実施する
また定期的に顧客とコンタクトを図ることも重要になります。
顧客が一度製品・サービスを購入してくれてから、コンタクトもフォローも実施しなければ、顧客に自社のことを忘れられてしまいます。
そういったリスクを防ぐため、定期的なコンタクトを図り、顧客に自社の存在を定期的に思い出してもらうための工夫を講じる必要があるのです。
例えばメルマガを配信したり、クーポン付きのDMを配信したりするといった方法が考えられるでしょう。
■方法③:会員制度を活用する
会員制度を活用するというのも有効な方法でしょう。
会員となった顧客限定で、セールの情報やクーポンなどの配布を行うなどの取り組みが基本となります。
また会員の誕生日にギフトを送ったり、ポイント制度も併用したり、顧客のロイヤルティを高めるような施策を実施していきましょう。
顧客ロイヤルティが高まれば、自ずと継続率も向上することになるので、是非取り組んでみてください。
■方法④:カスタマーサービスの充実
カスタマーサービスを充実させることも忘れてはいけません。
継続率とは顧客満足度の指標でもあると述べた通り、顧客満足度が高ければ、継続率も高くなる傾向にあるのです。
そのため購入した製品・サービスに不満を抱いた顧客に対するフォローや、製品・サービスの利用に関する疑問にいち早く回答できるチャットといった、カスタマーサービスを充実させることが肝要となります。
カスタマーサービスを充実させることで、クロスセルやアップセルなどに繋げ、継続率の向上に直接的に貢献できる可能性もあるでしょう。
まとめ
本文でも繰り返しお話してきた通り、マーケティングにおける継続率は顧客満足度を表す指標でもあります。
そのため継続率を定期的に把握し、自社の製品・サービスに対する顧客満足度を確認しながら、適切なマーケティング施策を実施していくことが、事業安定には欠かせない取り組みと言えるでしょう。
是非この記事を参考にしつつ、継続率の把握とそれに基づくマーケティング施策の検討や改善に取り組んでみてください。