薬機法とは?医療・美容・健康食品のライティングにおけるルールを紹介

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医療、健康器具、健康食品、化粧品などに関するコンテンツや広告を作るとき、必ず守らなければならないのが「薬機法」です。

薬機法は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の略で、以前は薬事法と呼ばれていました。1960年成立の古い法律ですが、2019年の法改正(2021年8月施行)で「虚偽・誇大広告を行う企業に対する課徴金制度」が行われるようになり、再注目を浴びています。アフィリエイターに対して措置命令が下された例もあり、WEBコンテンツや広告に対しても今まで以上に厳しい規制が行われるようになりました。

「今まで大丈夫だった」「知らなかった」では済まされない薬機法について、対象範囲やNG文例などを紹介します。

薬機法の概要

薬機法は医薬品などの品質、有効性、安全性を確保するため、開発・承認・製造・流通・使用を規制する法律です。

薬品の販売や使用だけでなく、開発や流通なども含む法律です。医療従事者はもちろん、広告業者等も内容をしっかり理解し、守る必要があります。

 

薬機法の主な対象範囲


薬機法の対象範囲は、いわゆる「病院の薬」だけではありません。薬用化粧品のような医薬部外品や、化粧品や染毛剤といった美容品もかなりの部分が薬機法の対象物になります。

 

医薬品


いわゆる「病院で処方してもらう薬」や「薬局で買える薬」です。

ほかにも遺伝子検査キットや新型コロナウイルス抗原検査キットなども医薬品扱いになります。

 

医薬部外品


うがい薬、ビタミン剤、薬用化粧品などが代表的です。「風邪を予防する」「ニキビをなくす」など医薬品の効果はあるものの、コンビニや雑貨店でも普通に買えるものの多くが該当します。

このほか、あまり「薬」のイメージがないですが、パーマ液や染毛剤、生理用ナプキンなども医薬部外品の一例です。

 

化粧品


ファンデーションや口紅などのメイクアップ用品のほか、シャンプーやせっけん、ハンドクリーム、整髪料、歯磨き粉なども該当します。

なお、「薬用化粧品」「薬用シャンプー」などは医薬部外品に該当します。広告を作る際「化粧品」とは使える表現が変わってくるので、注意が必要です。

 

医療機器


X線撮影装置やペースメーカー、医療用メスのように、医療に関わる機械・道具を指します。身近なところではコンタクトレンズやメガネ、血圧計、体温計、マッサージチェアなども医療機器です。

 

薬機法の対象範囲にならないが、注意を要するもの


健康食品や雑品は薬機法の対象範囲になりません。ただ宣伝方法によっては「非承認の医薬品・医療機器」扱いになり、処罰を受けるおそれがあるため注意が必要です。

 

健康食品


サプリメント、プロテイン、栄養ドリンク(医薬部外品扱いでないもの)などが当てはまります。特定保険用食品(トクホ)など「保健機能食品」も健康食品の一種です。

 

雑品


マスク(医療用でないもの)や消毒液、美容機器・フィットネス機器の多く、マッサージグッズ(電動でないもの)や補正下着などが当てはまります。

美容・フィットネス・マッサージ関連のグッズには、医療機器との区別が難しいものが多くあります。家庭用の美顔器や脱毛器、磁気ネックレス、電動マッサージ機などは医療機器認定を受けているものと受けていないもの(雑品扱い)があるため、特に注意が必要です。

 

広告で薬機法に抵触しないための考え方〜化粧品など(薬機法の範囲内のもの)



薬機法の適用範囲では、広告で使える効果・効能の範囲が細かく定められています。

医師から処方される薬はもちろんのこと、メイクアップ用品やシャンプーといった化粧品も使える表現が細かく定められているので、必ず確認するようにしてください。

 

適正広告ガイドラインを必ず確認する


たとえば化粧品(薬用でないもの)については、「(1) 頭皮、毛髪を清浄にする。」「(2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。」など、56項目の範囲で広告表現をすることができます。

ここにない表現、たとえば「美白」などの表現はNGです。特に「使い続ければどんどん白い肌になる」といった身体的変化を連想させる表現はNGです。

ただし、身体的変化でなく物理的効果や使用感であることを明確にすれば、広告としての表現が認められるものもあります。ファンデーションなど色彩化粧品では「※メーキャップ効果によるもの」という「しばり表現」をつけることで、色彩的効果として「美白に見せる」効果をうたうことができます。

この他にも認められた表現・禁止されている表現が多々あるため、必ずガイドラインを確認しながら広告を作りましょう。

参考:日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドライン 2020年版

 

専門家の推薦はNG、一般人の口コミにも規制あり


薬機法では医師・専門家の推薦を禁止しています。この「専門家」には医療従事者はもちろん、美容師や理容師も含まれています。「カリスマ美容師A推薦シャンプー」といった表現はNGです。

専門家でない一般人やインフルエンサーの口コミ・推薦にも規制があり、化粧品では「使用方法・使用感・香り」のみ許可されています。効果効能、たとえば「1ヶ月間使い続けたらシミが消えました」などの表現は禁止です。

「※個人の感想です」などの文言をつけても認められません。フィクションや関係者の口コミなどもNGです。

 

化粧品(薬用でないもの)のNG文例


ファンデーションなどで「使えば使うほど白い肌に」(肌色の変化はNG)

基礎化粧品で「ほうれい線がなくなる」(シワで認められているのは「乾燥による小ジワを目立たなくする」表現のみ)

シャンプーに対して「カリスマ美容師おすすめ!」(専門家の推薦はNG)

基礎化粧水に対するインスタグラマーの口コミで「1ヶ月使い続けたら、肌がワントーン明るくなりました」(口コミで効果・効能への言及はNG)

 

化粧品(薬用でないもの)のOK文例


ファンデーションなどで「みずみずしいツヤ肌に」(「肌にツヤを与える」訴求はOK)

基礎化粧品で「最近、お肌のうるおい不足を感じるあなたへ」(「皮膚にうるおいを与える」訴求はOK)

ヘアパックで「枝毛を防いで、しなやかな髪に」(「裂毛、切毛、枝毛を防ぐ」訴求はOK)

基礎化粧品の口コミで「美容液、日焼け止め、ファンデが1本でできて時短!朝はドタバタするから助かります」(使用方法への訴求はOK)

広告で薬機法に抵触しないための考え方〜健康食品など(薬機法の範囲外のもの)



健康食品や美容機器などの雑品は薬機法の対象外です。そのため化粧品のような厳しい規制はありませんが、「非認可の医薬品」と誤解されないような表現が求められます。

健康食品で認められている表現は基本的に「栄養補給、健康維持等」だけ、雑品では基本的に「物理的効果」だけです。この範囲を外れないようにしましょう。

 

健康食品では「栄養補給・健康維持」しかうたえない


健康食品で認められた表現は、基本的に「栄養補給・健康維持」だけです。

疾病の治療や予防を目的とした効果効能、つまり、がん・生活習慣病・アレルギー・便秘・二日酔いなど、具体的な病名や症状をあげて効能・効果を示す広告表現はNGです。

身体の組織や機能に良い効果をもたらすものも禁止です。アンチエイジング、痩せる、疲労回復、血液サラサラなどの表現は全てNGです。

また、言い切りではなく暗示にしてもNGです。「可能性があります」と言い切りを避ける、「※個人の感想です」等の文言をつける、「広告ページで成分Aを含む商品を紹介し、ブログ等で成分Aの健康効果をうたうなどページを分割する」などの手段をとっても認められません。

 

保健機能食品について


基本的に健康食品は栄養補給と健康維持しか認められませんが、「特定保険用食品(トクホ)」「栄養機能食品」「機能性表示食品」の認証をとれば、認められた範囲で効果効能訴求ができようになります。

例えば特定保健用食品では「食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにする」などの訴求ができます。

 

健康食品(医薬部外品でないもの)のNG文例


サプリメント「免疫力を上げるならこのサプリ!」(疾病の予防を目的とした表現はNG)

サプリメント「このサプリには成分Aが含まれています。○○大学の最新の研究で、成分Aにはがん細胞の増殖を阻害する可能性が示唆されました」(効果効能を暗示する表現もNG)

栄養ドリンク「二日酔い、飲み過ぎに」(治療を目的とした表現はNG)

ダイエット食品「運動しなくてOK!これを飲むだけで痩せる!」(身体の組織の増強効果はNG)

 

健康食品(医薬部外品でないもの)のOK例


サプリメント「このサプリにはタウリンが○mg配合されています」(効果効能について言及していない)

プロテイン「不足しやすいタンパク質を手軽に補えるアイテム」(栄養補給に関する訴求はOK)

サプリメント「いつまでも元気でいたいあなたへ」(健康維持に関する訴求はOK)

サプリメント「A医師も愛飲」(健康食品では、効果効能を暗示する文脈になっていなければ専門家の推薦OK)

薬機法を遵守し、消費者の誤解を招かない広告作りを

薬機法の2019年の法改正(2021年8月施行)で行われた「虚偽・誇大広告を行う企業に対する課徴金制度」は、急速に拡大したオンライン広告を取り締まるために行われました。オンライン広告会社の大手である「popIn」や「Yahoo!広告」などでは、審査基準の大幅な引き上げも行われています。

また、広告の範囲には誌面やディスプレイ広告のみならず、インフルエンサーのSNSやクリニックが行っているブログ等も含まれています。そのため「ついうっかり」「知らなかった」が起こりやすい状態であるといえます。

薬機法を遵守し、消費者の誤解を招かない広告作りがこれからは求められています。サックルではそのお手伝いをさせていただきますので、ぜひご相談ください。
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WRITER INFORMATION

マーケティング部 藤本

株式会社サックルのWebライター。SEO記事、記事型LP、インタビュー記事などライティング全般を担当しています。趣味はカフェめぐりとランニング。

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