IoTにおけるセキュリティの3つの課題とは? 解決方法も解説

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IoT(モノのインターネット)は人々の暮らしやビジネスへの導入が進んでいます。5Gなどの技術革新により更なる発展が期待されるIoTですが、IoT機器がサイバー攻撃に狙われる事例も増加しています。

そして、私達が悪意を持ったハッカーからの攻撃を防ぐためには、IoTの利用者が自身でセキュリティの強化について考えていくことが欠かせません。

そこで今回は、IoTを利用していきたい方に向けて、IoTデバイスにおけるセキュリティ上の課題と、その解決方法について解説します。

IoTはセキュリティ対策も発展途上

まず、なぜ利用者自身がIoTのセキュリティの強化について考えていく必要があるのでしょうか。

その理由は、IoTがまさに発展している最中で、適切なセキュリティ対策が確立されていないからです。サイバー攻撃の被害が拡大するにつれ、様々な対策が行われ始めてはいますが、まだまだ対策は発展途上で、徹底されているとは言えない状態です。

IoTはビジネスにおいて大きな武器となりうるからこそ、悪用を受けないために、セキュリティの重要性を理解し、適切な対応を行っていくようにしましょう。

IoTの3つのセキュリティ課題

それでは、IoTのセキュリティにはどのような課題があるのかを、3つのポイントに分けて解説していきます。

数や種類が多く管理が難しい


IoTは、数多くのセンサーを設置することでビッグデータを取得し、その情報を活用することで様々な価値を生み出しています。

しかし数が多い分、各デバイスの管理が難しいという問題があります。

使用状況の把握やパスワード管理、ファームウェアの更新など、IoTのセキュリティを保つためには適切な管理が欠かせないのですが、その管理が行えておらず、セキュリティが脆弱なまま放置されていることが多いのが現状です。

IoT機器内部でセキュリティ対策ができない


IoTデバイスは機能が限られているため、内部にセキュリティソフトを導入し、ウイルス対策を行う、といった手段を取ることが難しいです。

そのため、パソコンやスマホなどのようなウイルス対策が取れず、ゲートウェイを設置するなど、別の手段でセキュリティ対策を構築する必要があります。

保守期間が切れたIoT機器が残り続ける


IoTデバイスはシンプルな機能を持つため、ハードウェアとしての寿命が長く、長期間にわたって使われ続ける可能性が高いです。

しかし、メーカーがソフトウェアの保守を行う期間は限られているため、ファームウェアが更新されなくなったIoT機器が長期間使われ続ける、といったことが多く発生します。

IoTの管理とも関係する内容ですが、保守期間切れのIoT機器を使い続けることは、セキュリティリスクが高まることを理解し、交換していくことが必要です。

IoT攻撃の被害例

これらのセキュリティ課題を悪用されると、どのような被害を受ける可能性があるのでしょうか?

ここからは、IoTへのサイバー攻撃の被害例をお伝えします。

「踏み台攻撃」で多くのIoT機器がサイバー攻撃に利用される


IoTへの攻撃として最も有名なのが、「Mirai」というウイルスです。

これは、セキュリティの甘い機器にウイルスを感染させ、サイバー攻撃用のボットとして悪用するウイルスです。

IoT機器は初期パスワードをそのまま利用しているケースが多く、パスワードを突破され、多くのIoT機器がMiraiに感染したと言われています。

また、Miraiには、感染した機器が他の機器を探してウイルスを広げる「踏み台攻撃」も行うため、知らないうちに犯罪の片棒を担いでしまうということも起きています。

IoT機器自体に誤動作などが起きるわけではありませんが、様々な企業のサイトやサービスに致命的なダメージを与える原因になることから、非常に大きな問題として対策が急がれています。

個人情報や機密情報が盗まれる


Webカメラを用いて遠隔地から監視するIoTシステムは非常に便利ですが、IoTとして利用されるカメラセンサーがウイルスに感染すると、機密情報が漏洩してしまうという側面もあります。

「insecam」というWebサイトが有名ですが、このように知らず知らずのうちに情報が盗まれている可能性があります。

また、IoTデバイス単体だけでなく、IoTデバイスを踏み台にして社内ネットワークに侵入し、機密情報を盗むといったことも可能なので、ネットワークにつながる全てのIoTに対して対策を行う必要があります。

制御機器などに重大な障害が起きる


最近は、遠隔操作を行うために、制御機器をネットワークにつないで操作することが増えています。

しかし、この制御に使っているIoTのセキュリティが脆弱だと、パラメータを書き換えることで制御を乗っ取ったり、誤動作させることが可能です。
産業用ロボットを誤動作させたり、車のハンドル操作を乗っ取るなどの実例もあり、安全上に大きな障害を与えることが懸念されています。

IoTにおけるセキュリティ対策の4つのポイント

このような、IoTのセキュリティの脆弱性を突いた攻撃を防ぐためには、セキュリティ対策を適切に行うことが重要です。

そこでここからはIoTにおけるセキュリティ対策のポイントをご紹介します。

セキュリティの強いネットワーク構成を構築する


一番の対策は、サイバー攻撃に強いネットワークを構築することです。

IoT単体を直接インターネットに接続すると、セキュリティ対策を行うことが難しいため、サイバー攻撃を受ける可能性が高いです。

そのため、セキュリティ対策を行ったIoTゲートウェイを構築したり、そもそもインターネットに接続せず、限定されたネットワーク内で利用するなど、悪用されにくい環境を構築することが重要です。

パスワードを定期的に変更する


これまでウイルスに感染しているIoTデバイスは、パスワードが初期状態のまま放置されている、セキュリティが脆弱なものが多いです。

そのため、パスワードを複雑なものに変えるだけでも、セキュリティのリスクを抑えることができるでしょう。

また、IoTデバイス毎にパスワードを変更することも重要です。

ファームウェアを更新する


IoTのセキュリティ上の脆弱性は日々発見されており、企業はその対策を都度行っています。

そのため、それぞれのIoTデバイスにおいてファームウェアを都度更新しておけば、セキュリティリスクを比較的抑えることができます。

ただしファームウェアの更新は忘れられがちなので、適切な管理体制が必要です。

運用期間・利用目的などの管理を徹底する


ファームウェアの更新にも関連しますが、IoTデバイスの管理を徹底することが、IoTの運用においては非常に重要です。

利用期間や目的を明確にしておき、利用が終わったあとも放置されているデバイスや、保守期間を過ぎても使われ続けているデバイスをなくすことだけでも、セキュリティリスクを大きく低減することができるでしょう。

まとめ

IoTはこれから人々の暮らしやビジネス活動を支える存在として、間違いなく世の中に広がっていく技術です。

しかし、普及が広がっていくことに伴い、IoTを狙うサイバー攻撃もさらに激化していくことが予測されます。

サイバー攻撃の種類によって対策すべき内容は変わりますが、以下の3点に注意することで、セキュリティレベルを上げることができるでしょう。

・サイバー攻撃に強いネットワークを構築する
・パスワードを定期的に変更する
・ファームウェアを最新版に更新する

IoTは非常に便利で、暮らしやビジネスをさらに進化させうる技術です。セキュリティの重要性について理解し、サイバー攻撃から身を守りながら、安全にIoTを活用していきましょう。
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