ブランディング戦略について

ブランディング 企業ブランディング

INDEX

はじめに

「売上が伸び悩んでいる」
「商品(サービス)を売るために価格を下げた方が良いのかも」
そう感じている方も多いかもしれません。
そのような方に知っておいて欲しいのが「ブランディング戦略」です。
しっかりとブランディングをしておくことで、価格競争に巻き込まれづらくなりますし、売上アップも期待できます。

そこで今回は、
・ブランディングの概要
・ブランディングの方法
をご紹介します。

ブランディングとは?

ブランディングとは、その商品やサービスの「見え方」や「らしさ」を考え、お客様に信頼してもらうために行うマーケティング施策です。

例えば、本革で作られたバッグが売られているとしましょう。一つはノーブランドのもので、もう一つはエルメスです。同じ価格なら、 エルメスのバッグを買う方が多いのではないでしょうか。また、「高くてもエルメスのものがいい」そう考える方もいるでしょう。
このように、ブランディングがされていると、価格競争に巻き込まれにくくなります。

ブランディングは、コンセプトから練ることが多いのですが、効果が出るには時間がかかることが多いです。ただし、コンセプトが決まれば、後々の判断でぶれにくくなります。そのため、ためらいなくPDCAサイクルを回していけますし、成果の拡大につながりやすくなります。

「ブランディングは難しそう」と感じる方もいるかもしれませんが、段階を分けて考えていけば、取るべき施策もおのずと見えてくるはずです。
そのため今回は、ブランディングの方法も併せてご紹介します。

ブランディングの効果と例

ブランディングの効果は、主に
・売上アップ
・ファン増
です。
実際の企業がどのようなブランディングをしているかをみていきましょう。

① 代官山T-SITE
TSUTAYAを展開しているカルチュア・コンビニエンス・クラブ。
同社が企画している代官山T-SITEのコンセプトは、「ライフスタイル提案型商業施設」です。
お客様へのヒアリングを通し、本屋だけでなく、カフェやクリニック、多目的スペースも併設されています。
物ではなく、ライフスタイルの提案をメインとしたブランディングで注目されました。

中川政七商店
くまもんで有名なデザイナーの水野学さんがブランディングを手がけたのが中川政七商店です。
伝統ある工芸品を販売している企業で、水野さんによりロゴや店舗デザインなどの刷新が行われました。
SNSにも力を入れており、投稿を楽しみに待つファンも多いそうです。

先ほど水野さんの名前を出しましたが、ブランディング施策を考えるのはデザイナーだけに限りません。
コンサルタントや、企画・開発職、マーケターなど、さまざまな人がおこなっていきます。
ただし、中には柴田陽子さんのように「ブランディングプロデューサー」として専門的に活躍されている方も。

ブランディングというと、
見た目を変える=グラフィックデザイナーに相談・依頼しよう
と考える方も多いかもしれません。
しかし実際には、市場の分析や売上の管理など、多岐にわたる施策であることを覚えておきましょう。
つづいて、具体的なブランディング戦略の方法をみていきます。

ブランディング方法1 コンセプトを決める

ブランディングにはコンセプトが必要不可欠です。
なぜなら、コンセプトがないと、見せ方や施策にぶれが出てしまうからです。
そうなると、施策ごとに印象が変わり、ブランド構築がしにくくなってしまいます。
そのため、ブランディング戦略では、コンセプト作りに力を入れるようにしましょう。
しかし、「コンセプトって何?」と感じる方もいるかもしれません。
コンセプトとは、簡単に説明すると、「その商品(サービス)を一言で表すと何?」に対する回答です。
説明だけではわかりにくいので、コンセプトの具体例をみていきましょう。

① サードプレイス(家庭でもなく職場でもない第3の空間)-スターバックス
② 吸引力の落ちないただ一つの掃除機 -ダイソン
③ 事務用品が 明日届く -アスクル

上記のように、端的でわかりやすいコンセプトが良いと言われています。
また、コンセプトの明確化は、ブランディングだけでなく、社員のモチベーションアップにも効果があるという意見も。
というのも、コンセプトがあることで、自分たちの業務の意味を実感しやすくなるからです。

つづいて、コンセプトの決め方をみていきましょう。
さまざまな方法がありますが、今回は「ブレインストーミング」をご紹介します。
ブレインストーミングのやり方は以下の通りです。

・議題と制限時間を決める
・メンバーそれぞれの意見をホワイトボードやふせんに書き出す
・似ているアイディアや良いアイディアをまとめる
・意思決定する

メンバー間で意見を出し合うことで、新たな商品の魅力の発見や、より良い表現に繋がります。
「それは違うと思う」など、否定的な言葉はあまり使わないようにしましょう。
意見を否定するよりも、案の数を増やすことを重視してください。
コンセプト案が出てきにくい場合は、「そもそも、なんでこの商品(サービス)を作ったんだっけ?」というふうに「そもそも掘り」することをおすすめします。
「作り出せる商品やサービスが無数にある中で、どうしてこれにしたのか」には、必ず理由があるはずです。
そうして当時の気持ちを探っていくと、コンセプトに関連するワードが出てくるでしょう。

ブレインストーミングが終わった後は、出てきた案を比較したり、組み合わせたりしながら、
最適なコンセプトを決めていきます。

参考:ブランディングのコンセプトで重要なこと

ブランディング方法2 分析する

ブランディングするには、競合を分析する必要があります。
なぜなら、似たデザインになってしまうと、差別化を図りにくくなるからです。

たとえば、通信大手キャリアのロゴをイメージしてみましょう。

・docomo 赤
・ソフトバンク グレー
・au オレンジ

といったように、色が分かれています。
これら3社がもし、すべて同じ色のロゴだったら、消費者への印象は弱くなってしまうでしょう。
あえて同じ色にする場合もあるかもしれません。
しかし、できるだけ競合のコーポレートカラーを参照し、どのような色にするか考えた方が良いです。

また、分析は競合だけでなく、市場もおこないましょう。
市場分析に関しては、3C分析やSWOT分析など、さまざまなワークフレームがあるため、それらを活用していくことをオススメします。
ただし、机上の分析にならないよう注意が必要です。
・お客様が商品にどんな印象を持っているのか
・現場はどのようになっているか
を直接ヒアリング・実地調査することで、新たなアイディアも見えてくるでしょう。
なお、分析後は、「誰がいつまでに、どのような施策を取るか」というふうにまとめておくことをオススメします。

ブランディング方法3 ペルソナを設定する

多くの人を想定したブランディングよりも、特定の1人に向けた施策の方が効果が出ることもあります。
この「特定の1人」のことを「ペルソナ」と呼びます。
大まかに「20代女性」と決めている方もいるかもしれません。
しかし、20代女性といっても、女子大学生なのか、29歳の会社員なのかで、取るブランディング施策も変わってくるでしょう。
そのため、ペルソナでは、以下のように細かい項目も設定していきます。

<ペルソナ設定項目例>
年齢、職業、年収、勤務時間、居住形態、趣味、休日の過ごし方、よく読む雑誌、使っているSNS、仕事への考え方、人間関係etc…

そうして設定したペルソナに沿ってブランディング施策を考えていくと、複数メンバーでも方向性を同様に保つことができるのです。
また、特定の1人をイメージすることで、「私のための商品だ!」と、より深く商品(サービス)に愛着を持ってくれることもあるでしょう。
その結果、リピーターとなり、売上アップも見込めます。

「でも、どのようにペルソナを決めたら良いかわからない」という方もいるかもしれません。
そういう場合は、
・すでにお客様になっている方
・「こういう人がお客様だったら嬉しい」と感じる方
をイメージして、ペルソナを設定していきましょう。

おわりに

今回は、ブランディング戦略の方法を3つご紹介しました。
まとめると、以下の通りです。

・コンセプトを決める
・競合や市場を分析する
・ペルソナを設定する

ブランドを構築するには時間がかかることも多いでしょう。
しかし、しっかりとしたブランドとして認知されれば、ファンの増加や売上アップも見込めます。
価格競争に巻き込まれないためにも、これを機にブレインストーミング等で、ブランディング施策を見直してみてはいかがでしょうか。

参考:ブランディングにデザインが重要な理由とは?
  • Twitter
  • Facebook
  • LINE

新たな価値と体験を創造するWebデザイン

UI/UXでビジネスの課題を解決します。

培った15年以上のノウハウでWEBサービスの価値を最大化へ。
ユーザー分析からプロトタイプ作成までお客様の悩みを柔軟な発想で解決いたします。
ユーザー目線を取り入れた導線の設計、コンテンツ形成からターゲット層・目的に合わせたUIデザインを行い、
ユーザーが違和感なく使えるプロダクトを提案します。

WRITER INFORMATION

サックルマガジン編集部

デジタルクリエイティブの最新情報を発信する情報マガジン「サックルMAGAZINE」の編集部です。運営会社サックルは「ニーズがあるクリエイター集団でい続ける」を掲げ、創業13年目を迎えました。デジタル領域のプロとして、メディアを通じて多くのビジネスマンに有益な情報を発信しています。

RECOMMEND

PICKUP

CATEGORY