CS(顧客満足度)を向上させる20の方法と調査方法

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CSとはCustomer Satisfactionの略で、顧客満足度を表す指標としてビジネスの現場で用いられています。

顧客満足度を高めることで、リピート購入の促進やブランド価値の向上が期待でき、ビジネスの成長や継続に大きな効果を発揮します。

この記事では、CS(顧客満足度)とは何か、どのように調査・測定するのが一般的か、向上させることでどういったメリットがあるか、また、CS(顧客満足度)を向上させるための具体的な20の方法を解説します。

CS(顧客満足度)とは

CS(顧客満足度)とは、顧客が製品やサービス、企業のサポートに対してどれだけ満足しているかを示す指標で、顧客の期待に対する実際の体験や感じ方に基づいて測定されます。

顧客はビジネスの最も重要な要素であるため、企業は常に顧客満足度の向上を意識しています。満足度の高い顧客はブランドの信奉者となり、リピート購入やポジティブな情報の共有・拡散に手を貸してくれます。一方で、満足度が低いと、顧客はすぐに競合他社や次善の選択肢に切り替えてしまいます。

期待に対する満足度とあるように、仮に、同程度の品質の製品やサービスであり、得られる満足度が同程度のものだったとしても、利用前の期待値によって顧客満足度に違いが生じる点には注意が必要です。

従って、顧客満足度が高くなり、期待値が高くなればなるほど、顧客満足度を維持・向上させるためのハードルは高くなります。顧客から選ばれ続ける商品やサービスを提供することは、それほど難しいということになります。

CS(顧客満足度)を高めることのメリット

それでは、CS(顧客満足度)を高めることで、具体的にどういったメリットがあるのでしょうか。

リピーターが増える


CS(顧客満足度)の向上はリピーターの増加に効果的です。商品やサービスに満足していれば、再び購入してくれる可能性が高くなり、LTV(顧客生涯価値)も向上します。

また、新規顧客の獲得コストは、リピーターを育成するコストの7倍かかるといわれています。リピーターを多く獲得することは、経営戦略にとって大きなメリットがあります。

口コミによる新規顧客の獲得


満足度の高い顧客は、商品やサービスについてのポジティブな口コミを、SNSやWeb上で積極的に広めてくれます。企業からの一方的な広告に嫌気が差している現代人は、商品やサービスの購入に際して、自分と同じ目線の他者からの推奨をより強く参考にする傾向があります。

口コミによって新たな顧客を獲得することは、広告や一般的なマーケティングに比べて効率がよく、大きな波及効果が発生する可能性も秘めています。

ブランド価値と競争力の向上


顧客満足度の高いビジネスは、必然的にブランド価値が高まり、強い競争力を身に着けます。満足度の高い顧客からの支持は競合他社との差別化に有効であり、価格競争に巻き込まれずに済むというメリットもあります。

顧客満足度を向上させるための20の方法



満足度の高い顧客を確保し、その数を増やすためには、顧客満足度の向上に意識的に取り組む必要があります。

以下に、顧客満足度を向上させるための具体的な20の方法を紹介します。

1. 顧客のニーズを理解する


顧客のニーズと商品やサービスの間に乖離がある場合、顧客満足度は下がります。そのギャップを埋めるための努力が必要です。アンケートなどで顧客と対話し、フィードバックに基づいて行動します。大切なのは、自社が考える、自社にとって都合の良い顧客のニーズではない、ということです。自社の願望に沿って顧客ニーズを設定した場合、それに固執し、必要な改善の妨げになる危険性が高まります。顧客の声を収集している企業は少なくないはずですが、それを意識的に行うことが大切で、ふさわしい部門で正しく活用できているか、見直してみる必要があるでしょう。

2. カスタマージャーニーを実際に体験してみる


顧客が購入前、購入中、購入後に企業側とやり取りするタッチポイントがいくつかあるはずです。それを顧客の立場から体験してみましょう。アカウントがあればサインアップして操作してみる、実際に問い合わせをして所要時間や対応を確認する、など。説明が不十分で離脱の原因になる、逆に説明が長すぎてイライラするなど、顧客がするであろう体験を実際に体験してみることで、改善点が明確に見えることがあります。プロセスと業務の効率化、顧客体験と顧客満足度の向上に効果があります。

3. 販売エージェントと密に関わる


定期的に販売エージェントと話し合いの場を持つことはとても有意義です。彼らは顧客と直接向き合っているため、問題点を把握している可能性が高いです。アンケートでは得られない生の反応が得られる可能性があります。それらを実際にカスタマージャーニーの改善に結びつけることで、エージェント側のやる気やコミットメントを高める効果も期待できます。

4. 顧客と誠実に向き合う


当たり前のことですが、顧客の期待通りの方法で彼らに対応し、その基準を引き上げる努力を継続すべきです。敬意を持ち、細心の注意をはらい、献身的に彼らに接するのです。たとえば、Webサイト上で顧客が不便さを感じているのであれば、ライブチャットを使ってその懸念に対処し、フィードバックを収集して、改善に結びつけます。投げたボールがきちんと返ってくる。その繰り返しによって相互に信頼が生じます。そしてそれは、一部の部署に限った話ではありません。すべてのチームと部門が意思統一を図るべきです。一箇所でも瑕疵があれば、それ以外が完璧であるほど、顧客の失望を引き起こします。

5. チームをトレーニングする


顧客のニーズや懸念を理解し、期待に応え、懸念を払拭する方法を確立できたら、顧客とのタッチポイントに関わるすべてのメンバーに入念なトレーニングを実施しましょう。たとえばコールセンターであれば、話し方がブランドイメージに合わないというだけで不満をもたれる場合もあるのです。

6. 待ち時間を減らす


忙しい現代社会においては、多くの人が待ち時間を嫌います。それは病院の待合室に限った話ではなく、Webサイトの表示速度や問い合わせに対するレスポンススピードについても同じことが言えます。待ち時間を減らす=対応速度を上げるための努力を惜しむべきではありません。理想は、操作していることを忘れるほどの操作性や、最初の問い合わせで問題がすべて解決されることです。

7. 顧客が自力で解決できるヘルプ機能の充実


わざわざ問い合わせるまでもない些細な問題は、チュートリアルや取扱説明書などで、顧客が自力で解決できるよう環境を整備しましょう。動画の活用も効果的です。

8. 顧客の声に耳を傾ける


満足している、いないに関わらず、顧客の声に耳を傾けましょう。何が効果的で、逆に何が優れたカスタマーエクスペリエンスを妨げているのかを把握します。もっとも有効な方法は、顧客満足度の調査を実施することです。改善点を洗い出しましょう。顧客の声を聞き、そのニーズに近づくよう行動することで、顧客満足度が高まることに加えて、より積極的なフィードバックを得られるようになります。聞いてくれる、わかってくれる、希望をかなえてくれる、そうしたことの積み重ねが、強固な信頼関係を築くうえでとても重要です。

9. コミュニティを構築する


コミュニティの構築は、顧客サービス、プロモーション、マーケティングを実施し、顧客の懸念に対処するための特に優れた方法です。専門の担当者を置いて、コミュニティ内での存在感と即応性を高めましょう。コミュニティ内のあらゆる会話に目を通し、それらが正しい方向へ向くよう調整します。成熟したコミュニティでは、メンバー同士の情報共有が活性化し、結びつきがさらに強固になります。

10. 従業員満足度の確保




従業員エクスペリエンスと顧客エクスペリエンスは密接に関係しています。熱心な従業員は、一般的な授業員に比べて、顧客エクスペリエンスの向上のために一層の努力をしてくれることで知られています。そうした従業員に感謝し、その努力に報い、すばらしい職場環境を提供し、企業の内側から顧客体験を豊かにするエネルギーを放出しましょう。

11. NPSを向上させる


ネットプロモータースコア(NPS)は、顧客ロイヤルティと、顧客が身近な人に商品やサービスを推奨する意欲を測定します。多くの場合、NPSの向上は顧客満足度の向上につながります。競合他社の中で自社の立ち位置を確立するためには、すぐれたNPSスコアが鍵になります。

12. 不満を持つ顧客へのリカバリー対応


自社の商品やサービスに対して、すべての顧客が満足するとは限りません。不満を抱いて批判的な行動に出る人もいます。そうした声を無視してはいけません。不満を抱く顧客に対しては、即座にフォローアップを行いましょう。それにより、顧客離れを抑制し、悪い口コミや否定的な口コミの拡散を防止します。

顧客の不満に迅速かつ誠実に対応してリカバリーに成功することは、自社の評判をかえって高める効果もあるのです。

13. 中間層を置き去りにしない


先に挙げたNPS調査を実施すると、リピーターになってくれるロイヤルティの高い顧客と、次は他の選択肢に移行するであろう満足度の低い顧客との間に、態度を明確にしない中間層が存在することがわかります。多くの場合、その中間層こそ多数を占めています。サイレントマジョリティーという言い方がありますが、声を挙げないからといって、その層を無視することは避けるべきです。声なき声を聞き、彼らを満足させる発火点を見つけ出せれば、ビジネスの成功を手繰り寄せる大きなチャンスとなるでしょう。

14. 顧客満足度の向上を企業文化にまで高める


顧客満足度の向上への取り組みを企業文化の一部になるまで高めましょう。一部の担当部署に限定せず、すべての部署部門で、すべての取り組みとプロセスを共有し、共通の目標として掲げます。従業員が個人の目標と会社の目標を一致させ始めると、顧客エクスペリエンスが向上します。企業内からの肯定的な口コミは、顧客ベースの拡大に波及効果をもたらします。

15. SNSを活用する


主要なSNSにアカウントを作成して満足している企業が多いですが、多くの人がSNSを愛用する現代において、これをビジネスに活用しない手はありません。顧客にとってSNSの利用はハードルが低いものです。満足も不満足も含めて、顧客の声を吸い上げる装置としてSNSを活用しましょう。整備されたプラットフォームであるがゆえ、レスポンスもしやすく、リーチも確実です。SNSは広告媒体としても優秀で、見込み顧客との接点構築にも効果があります。

16. カスタマーレビューを読み込む


SNSに限らず、顧客がレヴューできるWebサイトやポータルが数多くあります。これらをウォッチし、顧客が商品やサービスに対して何を言っているかを確認してください。良くも悪くも、これらのレヴューの背後にある理由を理解するようにしましょう。データは使ってこそ。集めるだけでは意味がありません。行間にある顧客の真意を読むことは、すぐに始められるデータ活用の第一歩です。

17. ビッグイベントに圧倒されない


新製品の発売やアップデートのタイミングで、顧客のアクセスが集中する可能性があります。顧客対応に回せるリソースを十分に確保しておく必要があります。注目が集まるときにこそ、顧客が満足する手厚いサポートを用意し、ファン層の爆発的な拡大をうながしましょう。人手が足りないからとずさんな対応をしてしまうと、評判が一気に地に落ちてしまうリスクがあります。予測を立て、余裕をもってリソースを配分しましょう。

18. CS調査の実施


顧客満足度の調査は、顧客満足度を測定するのに役立ちます。その詳細については次章で紹介します。これらのアンケートは、顧客の満足または不満足の背後にある理由を理解する助けになります。データを収集し、チームで共有し、快適なカスタマーエクスペリエンスを妨げる要因を1つずつ潰していきましょう。

19. 顧客満足度の調査データを行動につなげる


顧客アンケートをはじめとするCS(顧客満足度)調査の実施は、スムーズで快適なカスタマーエクスペリエンスを確保するための1つのステップにすぎません。顧客満足度は、カスタマージャーニーのさまざまなタッチポイントでのやり取りに応じて上下します。調査から不満や満足の理由を詳らかにし、パターンを発見、傾向を特定して、改善のための仮説を立てます。それを実施し、更に調査して、改善を繰り返す、好循環の流れを作りましょう。

20. パーソナライズされた体験


カスタマージャーニーにおいて、特に「購入」の時点で、顧客は多くの情報を企業に提供します。顧客満足度を高めるためには、その際に提供された数多くの情報を活用し、その顧客にとって最適な、カスタマイズされたパーソナルなサービス・サポートを提供する必要があります。顧客は個別のニーズや好みに合わせた体験を求めています。他の人と同じもの、同じ経験では満足できなくなっています。カスタマイズされたサービスやサポートを提供することで、顧客は特別な存在として扱われることを実感し、満足度が向上します。

CS(顧客満足度)調査の実施方法



CS(顧客満足度)は、商品やサービスがターゲット市場のニーズや期待をどの程度満たしているかを示す重要な指標です。ここからは、市場調査の観点から、顧客満足度の分析とレポート作成の基本のいくつかを探っていきます。

目標と指標を定義する


顧客満足度の調査を設計して開始する前に、何を達成したいのか、それをどのように測定するのかを明確に理解する必要があります。問いは何か。回答者は誰か。データをどのように収集して分析するか、顧客満足度を反映する指標(KPI)は何か。指標として一般に用いられるものには、ネット プロモーター スコア (NPS)、顧客満足度スコア (CSAT)、顧客努力スコア (CES) などがあり、それらの指標を使用して、顧客満足度を定量化することができます。

調査方法とツールを選択する


CS(顧客満足度)調査を実施するには、目的、予算、リソースに応じてさまざまな方法があります。オンラインプラットフォーム、電子メール、SNS、または対面インタビューなどによって顧客と接点を持ち、フィードバックを収集するのが一般的です。

質問方式には、多肢選択式(複数の選択肢を提示し、その中からあてはまる選択肢を選択してもらう方法)、評価スケール(5段階などに細分化された回答の中から最もふさわしいものを選んでもらう)、自由回答式、またはマトリックス式(1つまたは複数の項目に対し、同じ評価選択肢によって回答者に評価してもらう)の質問などがあり、さまざまなタイプの質問を駆使して、顧客満足度のさまざまな側面を把握することができます。

顧客満足度調査を作成および管理するための一般的なツールには、SurveyMonkeyQualtricsGoogle Forms などがあります。

アンケートの質問を作成する


アンケートの質問の質によって、データと洞察の質が決まります。質問が明確で、関連性があり、偏見がなく、答えやすいものであることが大切です。また、回答率や精度に影響を与える可能性があるため、質問が多すぎたり少なすぎたりすることも避けてください。一般的には、アンケートの質問を 10〜 15 個に制限し、顧客満足度の最も重要な側面に焦点を当てることです。回答者の回答内容に基づいて次に表示する質問やページを切り替えるスキップロジック、分岐、パイプといった機能を使用して、回答者の回答に基づいてアンケートをカスタマイズすることもできます。

アンケートを配布して回答を集める


アンケートの準備ができたら、いつ、どのように顧客に配布するかを決定します。できるだけ多くの顧客にアプローチしたいと考えるのが普通ですが、同時に顧客の好みや属性にも目を向けましょう。電子メール、SNS、Webサイト、アプリなどのさまざまなチャネルを活用して、顧客にアンケートに参加するよう促します。割引、クーポン、特典などのインセンティブを利用して応答率を高めることもできます。ただし、顧客に過剰なプレッシャーをかけてしまわないよう注意が必要です。実際に自分たちで回答を行ってみて、回答の質を下げるような要素は排除しましょう。

結果を分析しレポートを作成する


顧客満足度の分析とレポートの最後のステップは、調査結果を解釈し、これを伝えることです。記述統計、クロス集計、相関関係、回帰など、さまざまな方法やツールを使用してデータを分析します。チャート、グラフ、ダッシュボードなどのデータ視覚化を使用して、結果を明確かつ見やすい方法で表示することも意識しましょう。また、分析に基づいた主な洞察、傾向、推奨事項を強調し、それらを関係者や意思決定者と共有する必要があります。

まとめ

顧客満足度を高めることは、ビジネス成功の鍵となります。

高品質な製品やサービスの提供、行き届いたコミュニケーション、顧客サポートの充実、パーソナライズされた体験の提供など、顧客満足度を高めるさまざまな方法があります。

顧客満足度の向上には、顧客の声に耳を傾け、継続的な改善を行う姿勢が必要です。満足度の高い顧客はリピート購入や口コミを通じて新たな顧客を獲得し、競争力とブランド価値を向上させることができるでしょう。
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サックルマガジン編集部

デジタルクリエイティブの最新情報を発信する情報マガジン「サックルMAGAZINE」の編集部です。運営会社サックルは「ニーズがあるクリエイター集団でい続ける」を掲げ、創業13年目を迎えました。デジタル領域のプロとして、メディアを通じて多くのビジネスマンに有益な情報を発信しています。

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