業界や業種を問わず注目を集めているものの、数多くの方法が存在するため、「正直それぞれどういったメリットや特徴があるのかわからない」という方も多いでしょう。
そこでこの記事ではWeb集客の具体的な方法について、それぞれの効果やメリット・デメリットなどを分かりやすく網羅して解説します。
効果を高めるためのポイントや役立つツールも紹介していますので、Web集客に取り組みたいという方は、ぜひご一読ください。
Web集客とは
■Web集客の概要
Web集客とは、インターネット上で行われる集客方法の総称です。
Googleなどの検索エンジンからの流入やブログ運営、Web広告運用などといった様々な方法が存在しており、大きく3つのカテゴリーに分類することができます。
【Web集客における3つのカテゴリー】
・オウンドメディアによる集客
・ペイドメディアによる集客
・アーンドメディアによる集客
オウンドメディアによる集客とは、ホームページやブログなどを軸とした集客を行う方法を指します。
ペイドメディアによる集客では各種Web広告を、アーンドメディアによる集客ではSNSやプレスリリースなどを活用します。
Web集客の具体的な方法:オウンドメディア編
まずはオウンドメディアを軸とした集客方法を見ていきたいと思います。
■SEO
SEOはSearch Engine Optimizationの略で、検索エンジン最適化と訳されます。
適切にSEO対策を実施することで、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索された際に、ホームページなどのオウンドメディアを上位表示させることが可能になります。
SEOには内部施策と外部施策という2つの手法が存在します。
内部施策はタイトルや見出しなどのテキストを調整したり、ページ内リンクを適切に配置したりすることでユーザーの利便性を高めて、検索エンジンからの評価を高めるというものです。
外部施策は外部サイトにリンクを貼ってもらうことで、検索エンジンからの評価を高める施策となっています。
【メリット】
・中長期的に見込み顧客を集めることができる
・広告などと比べ費用対効果が高い
【デメリット】
・確実に効果が出るとは限らない
・即効性がない
【費用】
自社でSEO対策に取り組む場合、基本的に費用は掛かりません。
制作会社やコンサルティング会社等に委託する場合は、10~100万円ほど掛かるでしょう。
【こんな業界にオススメ!】
SEOはWeb集客において基本中の基本とも言えるため、あらゆる業界の企業が取り組むべき集客方法と言えます。
■ブログ運用
ブログ運用もしっかりと意図をもって運用することができれば、集客に活用することができます。
自社の商品・サービスに関するノウハウや、お役立ち情報などを取り上げた記事を提供することで、見込み顧客の集客や育成に繋げることができます。
またそれらの記事を制作する際に、上位表示したい検索キーワードをタイトルや見出しに活用し、検索ユーザーの検索意図に沿った内容にすることで、集客効果をより高めることも可能です。
【メリット】
・広告などと比較して、費用対効果が高い
・コンテンツが資産となり、中長期的な集客が見込める
【デメリット】
・即効性がない
・効果が出るとは限らない
【費用】
無料のブログサービスを活用すれば費用はかかりません。
WordPressなどのCMSを活用して、独自ドメインで立ち上げる場合は、500~2,000円/月ほどのレンタルサーバー代がかかります。
外部制作会社に制作を依頼した場合、さらに制作費として10~30万円ほどかかるでしょう。
【こんな業界にオススメ!】
業界や業種問わず優秀な集客方法ですが、購買検討段階の長い商品やサービスを提供している場合は特にオススメです。
オウンドメディアについてはコチラの記事でも解説しているので、もっと詳しく知りたいという方は併せてお読みください。
Web集客の具体的な方法:ペイドメディア編
■リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索された際に、その検索ワードと関連性の高い広告を、検索結果の上部と下部に掲載する手法です。
Google広告やYahoo!広告が代表的でしょう。
先程ご紹介したSEOによって上位表示されているサイトよりも上位で表示されるため、見込み顧客の認知を得やすく、うまく活用すれば非常に強力な集客方法になります。
【メリット】
・SEOよりも上位に表示されるため、認知獲得に繋げやすい
・購買意欲の高いユーザーの流入が見込めるため、即効性が高い
【デメリット】
・検索ボリュームの多いキーワードは競合が多く、表示されない場合がある
・効果を出すためにはある程度の予算が必要
【費用】
掲載費用は安ければ1万円/月からでも始めることができます。
キーワードに応じて費用相場が出ていますので、それらを参考に設定すると良いでしょう。
【こんな業界にオススメ!】
基本的に業界を問わず効果を発揮しますが、旅行業界や小売りなどのBtoCビジネスといった、SEOにおける競合が多く上位表示が狙いにくい業界には特にオススメです。
■ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトの広告枠に表示されている広告のことです。
リスティング広告と異なり、テキストだけでなく動画や画像も活用できるといった特徴があります。
広告枠のあるWebサイトのコンテンツ内容に合わせて表示される仕組みなので、コンテンツ連動型広告とも呼ばれています。
【メリット】
・潜在顧客へのアプローチが可能
・画像や動画などを使うことができる
【デメリット】
・リスティング広告と比べてクリックされる確率は低い
・画像や動画など要素が多い分、改善のための分析がしにくい
【費用】
ディスプレイ広告の費用は、ユーザーが広告をクリックするたびに加算されていくPPCという方式を取っており、掲載されているだけでは費用は発生しない仕組みになっています。
クリックされるたびに加算されていくとはいえ、1日の広告掲載費用の上限を設定することができるため、予算に応じてコントロールすればよいでしょう。
【こんな業界にオススメ!】
基本的に業態や業種を問いませんが、購買検討期間の短い商品やサービスを扱う企業であれば、衝動買いなどの短期的な成果を狙うことも可能でしょう。
■動画広告
動画広告とはYouTubeなどの動画配信プラットフォームを活用した広告のことです。
動画再生時に流れるインストリーム広告や、プラットフォーム内の広告枠に掲載するインバナー動画広告などがあります。
テレビコマーシャルのようにインパクトのある情報を提供することができ、他の手法と比べても訴求力は高いと言えるでしょう。
【メリット】
・テキストや画像よりも印象に残りやすい
・サービスや製品の活用シーンを訴求できる
【デメリット】
・スキップされる可能性がある
・掲載費用に加えて、動画制作費がかかる
【費用】
掲載費用自体はクリック方式や再生方式などを取っており、それぞれ数円~数百円程度ですが、動画自体の制作費が数十万円かかります。
【こんな業界はオススメ!】
車やファッション業界は勿論、転職やコンサルティング業界などとも相性が良いと言えるでしょう。
■アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、アフィリエイターと呼ばれる媒体主が運営するメディアに、広告主の商品やサービスについての広告を張る手法です。
成功報酬型広告とも呼ばれ、アフィリエイターのメディアを通して広告主の商品・サービスの購買に繋がった際に、報酬を支払う仕組みを取っています。
実際の利用にあたってはASPと呼ばれるプロバイダーに、広告を掲載したいアフィリエイターを紹介してもらう流れになります。
【メリット】
・成約時のみ費用が掛かる仕組みのため、費用対効果が高い
・影響力の高いアフィリエイターに紹介してもらえれば、多くのユーザーにPRできる
【デメリット】
・掲載されるとは限らない
・掲載メディアのコンテンツによっては、ブランドイメージの低下に繋がる場合がある
【費用】
ASPとの契約時の初期費用がおおよそ5万円前後かかります。
またシステム利用料としても3~4万円ほどかかるケースが多いです。
成約時の報酬自体は広告主側で設定することができます。
【こんな業界にオススメ!】
アフィリエイターが紹介・レビューしやすい雑貨や化粧品などを扱う企業に特にオススメでしょう。
■SNS広告
SNS広告は、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアが提供する広告です。
リスティング広告やディスプレイ広告といった通常のWeb広告よりも、ターゲティング精度に優れるものが多いです。
またSNSによって特徴やユーザー層が異なるため、戦略に応じて使い分けるなどの柔軟な運用も可能でしょう。
それぞれのSNSの特徴などについてはコチラの記事に詳しいので、併せて読んでみてください。
【メリット】
・ターゲティング精度に優れている
・幅広い潜在顧客層にリーチできる
【デメリット】
・炎上の可能性がある
・魅力的な投稿でなければスルーされる
【費用】
1000回表示されるごとに費用が発生するインプレッション課金や、クリックされるたびに費用が発生するクリック課金が中心となります。
予算はこちら側で設定できるものが多いです。
【こんな業界にオススメ!】
ファッションや高級時計、IT家電など、顧客が感覚的に選択し、かつ購買検討期間が長めな商品を提供する企業には特にオススメです。
Web集客の具体的な方法:アーンドメディア編
■SNSアカウント運用
SNSアカウントを運用して、コンテンツを配信することも有効なWeb集客方法になります。
商品リリースに関する新情報や、サービスに関連したお役立ち情報といったコンテンツを定期的に配信することで、潜在顧客層の認知拡大に繋げることができます。
SNS広告のところで触れた通り、SNSによってユーザー層は異なるので、自社の戦略に合わせて適切なSNSを選択して運用する必要があるでしょう。
【メリット】
・無料で活用できる
・拡散性が高く、リーチできるユーザー数が非常に多い
【デメリット】
・投稿内容の質に左右される
・炎上の可能性がある
【費用】
大半のSNSは無料でアカウント運用できますが、LINEなど一部のSNSは公式アカウントのプランによって有料のものがあります。
【こんな業界にオススメ】
集客ツールとしてだけではなく、情報発信ツールとしても非常に優秀なので、業界を問わずに活躍するでしょう。
■プレスリリース
プレスリリースとは、新聞や放送局といった報道機関に向けて新商品の発表などの情報を提供して、取り上げてもらう手法です。
自社ではなく、報道機関という第三者からの報道になるため、うまく活用すれば広く潜在顧客の認知を獲得するとともに、信頼度を高めることができます。
【メリット】
・無料で配信可能
・情報の信憑性が高いと判断され、信頼度が高まる
【デメリット】
・独自性のある情報でなければ、そもそも取り上げられない
・報道内容をコントロールできない
【費用】
無料のプレスリリースもありますが、よりメディア関係者の目に触れやすいものは有料のプレスリリースです。費用は年額数万円のものから存在します。
【こんな業界にオススメ!】
新規性・話題性の高い製品を開発しているメーカーやIT企業には、是非活用してほしい手法になります。
Web集客の効果を高めるポイント
ここからはWeb集客の効果を高めるポイントをいくつかご紹介したいと思います。
■効果を高めるポイント①:USPを明確にする
USPとはUnique Sales Propositionの略で、独自の強みと訳されます。
USPを明確にすることは、Web集客において非常に重要です。
どんな方法を用いるにせよ、自社や製品・サービスの持つ独自の強みを明確にしたうえで、それを訴求しなければ、良い反応を得ることは難しいでしょう。
「どう言うかよりも、何を言うか」
この原則を基にUSPを明確にしたうえで、Web集客に取り組むべきと言えます。
■効果を高めるポイント②:ターゲットを明確にする
二つ目のポイントはWeb集客のターゲットを明確にするということです。
今すぐ購買に結びつきそうな顕在顧客を集客したいのか、それとも潜在顧客を集客しつつ興味関心を醸成していきたいのか、によって採用すべき集客方法が異なります。
顕在顧客を集客したいのであれば、ペイドメディアを中心とした集客方法に取り組むべきでしょう。
潜在顧客を集めたいのであれば、オウンドメディアやアーンドメディアによる手法が中心になります。もちろん、顕在顧客がWeb検索で情報収集を行う場合もありますので、自社の環境をしっかりと把握して適切な方策を選ぶようにしましょう。
どんな顧客にリーチしたいかという点をまずは明確にしたうえで、最適な集客方法を組み合わせていくことが効果を高めるための第一歩と言えるでしょう。
■効果を高めるポイント③:効果測定を行う
最後のポイントは効果測定を行うという点です。
Web集客の利点はほとんどの手法において、その効果を測定する手段が存在していることでしょう。
後ほどご紹介するツールなどを活用して、しっかりと効果を測定することで、改善に繋げることができます。
どんなに優秀なWeb集客でも、いきなり効果を発揮するとは限りません。
WebサイトのSEO対策や広告の運用にしても、SNSアカウントの運用にしても、地道に効果測定と改善を繰り返していくことで、初めて集客効果を高めることができるのです。
Web集客における注意点
■注意点①:あれもこれもと欲張らない
Web集客方法には先にご紹介したように、非常に多くの種類があります。
予算をかけてすべてを外注するならともかく、自社でこれらを全て運用するのは至難の業ですし、無理に取り組んでも、それぞれが中途半端になり、効果を上げるのはむずかしいと言えるでしょう。
そのため自社の戦略や目的、ターゲットに合わせて適切なWeb集客方法に絞って取り組んでいくことが重要です。
■注意点②:流行に飛びつかない
Web集客の世界は日に日に新しくなり、どんどん新しい方法が出てきます。
しかし「新しいから・流行っているから」というだけの理由で、取り組むべきではありません。
何度も繰り返しになりますが、Web集客は本来自社の目的やターゲットに応じて選び、取り組むべきものです。
「周りの企業がやっているから」と焦って取り組まずに、自社にとって有効な方法なのかどうかを見極めた上で判断するようにしましょう。
■注意点③:外注は有効だが任せきりにしない
Web集客には様々な方法があり、その分それぞれの支援をしてくれる会社が多く存在しています。
Web集客のプロである会社を活用すれば効果が出る可能性は高まりますが、それだけ費用も掛かってしまいます。
せっかく費用をかけて運用を行うのですから、それに見合う成果を出すことを目的にしなければなりません。 そのためには、外注先に任せきりにするのではなく、自社のターゲットについてしっかりと委託先に伝えたり、コンテンツ制作を協業で行うなど、自社のこととして前向きに取り組むことをおすすめします。そうした姿勢は委託先にも相乗的に伝わり、好結果が出やすくなるといえるでしょう。
Web集客に役立つツール
■役立つツール①:キーワードプランナー
まずご紹介するのはGoogleが提供するキーワードプランナーです。
キーワードプランナーを利用すれば、Googleで検索されている様々なキーワードの月間検索ボリュームや関連ワードなどを把握することができます。
そのためSEOは勿論、リスティング広告運用時のキーワード選定や、ブログの記事コンテンツの構成作りの際に非常に役に立ちます。
Google広告のアカウントさえ持っていれば、広告の運用をしていなくても無料で利用できるツールですので、ぜひ活用してみてください。
■役立つツール②:Googleアナリティクス
Googleアナリティクスはオウンドメディアでの集客の効果測定に役立つ無料ツールです。
Googleアナリティクスのタグを、ホームページやブログのソースに埋め込むことで
・どれだけのユーザーがサイトに訪問したのか
・どれくらいの時間閲覧していたのか
・どのコンテンツが良く見られているのか
といった情報を把握することができます。
そのためサイトの調整やコンテンツの改善には欠かせないと言えるでしょう。
またGoogle広告と連携させて、広告の効果を把握することも可能です。
■役立つツール③:MAツール
最後にご紹介するのはMAツールです。
MAとはMarketing Automationの略称で、マーケティングを支援する機能を豊富に搭載しているツールのことを指します。
具体的には顧客の行動分析や広告・メルマガの運用、セミナー管理などの機能を持っています。
運用している広告の効果測定も可能なため、Web広告を用いた集客の効果測定と改善に重宝するツールと言えるでしょう。
まとめ
今回はWeb集客の方法をテーマにお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。
Webを活用した集客がメインとなってきている現代では、様々な集客方法が生まれています。
しかし本文でも触れたとおり、新しいからと言って、必ずしも有効な手法であるとは限りません。
自社の目的やターゲットを踏まえた上で、適切なWeb集客方法を選択することが、何よりも重要なのです。
この記事を参考にぜひ皆さんに合ったWeb集客方法に取り組んでみてください。