この記事ではアプリ内課金の概要を踏まえつつ、その仕組みや種類、市場規模の一例などを簡単に解説していきます。
アプリ内課金について基本的な内容を押さえたい方は、是非最後までご確認ください。
アプリ内課金とは
■そもそもアプリとは
アプリとは、特定の目的をもって設計されたソフトウェアのことを指します。
例えば地図やスケジュール管理、メールなどの機能を有したアプリが挙げられますね。
その他ExcelやWordなどのOffice系ソフトもアプリの一つと言えます。
とはいえ、現在アプリと言えば基本的にはスマートフォンで使用するソフトウェアのことを指し、iOSとAndroidという2つのOSに合わせて、様々なアプリが開発されているのです。
スマートフォンで利用できるアプリには大きく無料でダウンロードできるものと、有料でダウンロードするものの2種類存在します。
■アプリ内課金とは
それではアプリ内課金とは何なのでしょうか。
アプリ内課金とは、アプリをダウンロードしたユーザーに対して、アプリ内で追加コンテンツや機能を販売できる仕組みのことです。
アプリ内課金はアプリ自体の無料・有料に関わらず、利用できる仕組みとなっています。
例えば基本利用が無料のものが多いゲームアプリでも、ゲーム内で貴重なアイテムを購入する際は課金しなければならないケースがありますよね。
これは代表的なアプリ内課金と言えます。
■アプリ内課金の手数料
企業がアプリをユーザーに届ける場合、iOS用アプリではAppStoreを、Android用アプリではGoogle Play Storeにてアプリを配信することになります。
アプリ内課金をした場合、これらのシステムを利用した手数料として、アプリの販売価格の15~30%が差し引かれた金額を受け取る形になるのです。
アプリ内課金で売り上げを上げる、最大30%が差し引かれるという点は覚えておきましょう。
アプリ内課金の種類
■種類①:消費型
一つ目にご紹介するのは、消費型と呼ばれるアプリ内課金です。
その名の通り、アプリ内で消費するコンテンツなどを購入するアプリ内課金となります。
消費型のアプリ内課金の代表的な例としては
・ゲーム内の通貨やガチャを引くためのアイテム
・ゲームで特定の行動を行うためのアイテムやポイント
といったものが挙げられますね。
消費型のアプリ内課金において購入したものは、基本的に使い切りとなっているため、再度利用するためには改めて購入する必要があるのです。
またアプリを削除して再インストールした場合や、新しいデバイスにアプリをインストールした場合、消費型アプリ内課金で購入した各種コンテンツは消滅するという特徴があります。
基本利用が無料となっているアプリに多く見られるアプリ内課金です。
■種類②:非消費型
続いてご紹介するのは非消費型アプリ内課金です。
一度アプリ内にて課金し購入すれば、そのコンテンツを永続的に利用することができるタイプのアプリ内課金のことを指します。
非消費型のアプリ内課金の具体例としては
・アプリ内広告の削除
・高機能版へのアップグレード
・ゲームにおける追加コンテンツ
・機能の利用制限の解除
といったものが挙げられるでしょう。
基本的にデバイスなどを変更しても、同じアカウントであればアプリ内課金は引き継がれることになり、継続的に利用できるようになっています。
こちらも基本利用は無料となっているアプリに多く見られます。
■種類③:自動更新サブスクリプション
次にご紹介するアプリ内課金は、自動更新サブスクリプションと呼ばれるタイプです。
自動更新サブスクリプションとは、コンテンツを一定期間利用するために利用料金を支払い、解約しない限り自動的に利用契約が更新されるタイプのアプリ内課金となっています。
自動更新サブスクリプションのアプリ内課金を採用しているアプリの代表例としては
・Amazon Prime
・Netflix
・Spotify
などが挙げられます。
自動更新サブスクリプションを採用しているアプリによって更新頻度は異なり、週ごとのものもあれば、月や年単位などの更新頻度を設けているものもあります。
基本的には有料アプリを中心としたアプリ内課金となっていますが、無料アプリでも採用しているケースがあります。
無料利用可能なアプリでの自動更新サブスクリプションの例としては
・機能のグレードアップ
・データ容量の増加
・利用できるデバイス数の増加
といったものが挙げられるでしょう。
■種類④:非自動更新サブスクリプション
アプリ内課金の種類として最後にご紹介するのは、非自動更新サブスクリプションです。
コンテンツを一定期間利用するために利用料金を支払うという点は自動更新サブスクリプションと同じですが、非自動更新サブスクリプションの場合、定められた期間が過ぎると利用できなくなります。
非自動更新サブスクリプションの代表的な例としては
・ストリーミングサービスのシーズンパス
・データベースへのアクセス権
・ゲーム内コンテンツの利用
等が挙げられます。
非自動更新サブスクリプションは自動更新されることはないため、サービスの継続利用を希望する場合、新たに購入する必要があるのです。
無料アプリ・有料アプリともに採用されているアプリ内課金と言えます。
アプリ内課金の市場規模
■動画配信アプリにおける市場規模
まずは動画配信アプリにおける市場規模を見てみましょう。
以下のグラフを見てください。

グラフ引用.動画配信市場規模の推移
このグラフは情報通信白書2021年版から引用したものです。
上記グラフのうち、緑色の縦棒がいわゆるサブスクリプションの動画アプリにおける売り上げを示しています。
2016年から大幅に増加しており、予測値ではありますが、2023年時点では1,015億ドル(約13兆円)にも上る市場規模になっていることがわかります。
■音楽配信アプリにおける市場規模
次に音楽配信アプリの市場規模を確認していきます。

グラフ引用.音楽配信市場規模の推移
こちらは同じく情報通信白書2021年版から引用した、音楽配信市場のグラフです。
上記グラフの緑色の縦棒が、Spotifyなどのサブスクリプションを採用している音楽配信アプリの売り上げとなっています。
動画配信の方と異なり、2023年の予測値自体は落ち込んでいますが、それでも250億ドル(約3兆1千万円)近い市場規模を誇っているのです。
ここでご紹介した市場規模のデータは、アプリ内課金全ての市場規模ではありませんが、動画配信と音楽配信に限らず、アプリ内課金の市場規模は大きいと言えるでしょう。
まとめ
アプリ内課金の市場は、本文でご紹介した動画配信や音楽配信だけに留まらず、今後も成長していくことが予想されています。
是非この記事を参考にして、アプリ内課金の取り組みを検討してみてください。