ラボ型開発のメリット4選!請負型開発との違いも詳しく解説

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システムやアプリの開発をアウトソーシングする際の契約形態に「ラボ型開発」があります。一定期間、他社に専属のエンジニアチームを設けてプロジェクト達成を後押ししてもらうのが目的ですが、しばしば「請負型開発」と比較されます。一体何が違って、どちらが得なのでしょうか。

そこで今回は、ラボ型開発のメリットと請負型開発との違い、さらに、ラボ型開発を行う際の注意点についても詳しく解説します。

ラボ型開発とは

情報システムやWeb、スマホ、PCアプリの開発の際、自社でまかなうことが難しい場合に、他社にアウトソーシング(外部委託)することが良くあります。とりわけ委託先が海外の場合は、オフショア開発と呼びますが、その際の契約形態の一つが、「ラボ型開発」です。

ラボ型開発は、一般的に半年~1年という期限付きで、受託会社のエンジニアを発注者の専属チームとし、システム開発などの目的で自由に活用できる契約スタイルです。具体的には、要件定義、設計、製造、そしてテストから運用までどのフェーズからでも柔軟に対応可能です。要件定義が明確な場合でも良いのですが、特に中長期で期間は決まっているものの要件が曖昧な段階で、これから新規事業や新サービスを立ち上げるとかリーンスタートアップが必要なアジャイル開発にうってつけです。

そして、例えば1年契約でも予定より開発が早く進んで10カ月でプロジェクトが終了した場合、発注者は残りの2ヶ月間、別の目的でそのままエンジニアチームを自由に使うことができます。よって言い換えれば、小回りの利く期間限定のプロ集団ともいえるでしょう。

請負型開発とどこが違う?

ラボ型開発に対して請負型開発があります。請負型開発は、すでに決められたプロジェクトのために、工数や納期も明確にして契約するスタイルで、成果物が納品されたらその時点で契約は終了。もし追加で開発が必要な場合は、あらためて契約を結び直す必要があり、その都度、見積が発生するのが特徴です。再契約した時には、それまでと同じエンジニアが担当するとは限らず、場合によっては一から人間関係を築く必要があります。

ラボ型開発がアジャイル開発に向いている一方、請負型開発は分析、設計、製造、テストなどそれぞれの工程を型にはめて行い、後戻りしないウォーターホール開発に適しています。

場合によっては、開発の丸投げも珍しくありません。その意味ではある程度一体感をもって交流をはかるラボ型開発に比べるとドライな関係のため、認識のずれが生じないための対策が必要です。その委託先が文化や習慣の異なる海外のオフショア開発であれば、なおさらでしょう。

ラボ型開発のメリット

続いては、ラボ型開発のメリットについて紹介しましょう。具体的には、「コストが削減できる」「仕様変更に柔軟に対応できる」「複数の案件を委託できる」「ノウハウが蓄積しやすく緊張感が保てる」の4点です。一つずつ詳しく見ていきましょう。

優秀な人材確保とコストが削減が実現できる


ラボ型開発は、一定期間、優秀なエンジニアを必要な人数だけまとめて確保できます。特に海外の場合、日本に比べると同レベルの技術や知識をもったエンジニアが半分以下の単価で活用可能です。日本で行う場合でも同じ数だけ正社員として採用するのは、コストが大幅にかかりますし、常に同じ数だけエンジニアが必要とも限りません。よって、ラボ型開発は時限的に一定スキルのあるエンジニアを確保したい時や低予算で抑えたい場合にとてもメリットが大きいでしょう。

仕様変更に柔軟に対応できる


ラボ型開発の大きな特徴は、設計や製造、テスト、運用など、どのフェーズからでも柔軟に対応できる点です。その意味では、発注者からすると請負型開発に比べて自由度が高いでしょう。システムやアプリ開発は、ある意味競合とのし烈な闘いです。しかも最近では、AI(人工知能)やAR(拡張現実)、VR(仮想現実)など先端技術を活用した開発が少なくありません。もたもたしていると同じようなシステムで先を越されたり、一歩先のUIやUXでリードされることも珍しくないでしょう。その場合は途中で方針変更を余儀なくされることもあります。
しかし、その際も仕様変更を容易にできるのが、ラボ型開発の大きなメリットです。機能追加もできるうえ見積の再調整は不要なため、そのまま変わらぬ流れで開発作業が継続できます。柔軟性とスピーディーな機動力、これがラボ型開発の一番の魅力です。

複数の案件を委託できる


ラボ型開発は、エンジニアとの期間限定の契約のため、その期間が続く限りタスクを自由に委託できます。目的のプロジェクトが終了しても、まったく異なる他のシステムやアプリ開発を依頼して良いということです。一から他の業者やエンジニアにアサインするより、気心が知れている分、業務がはかどることが多い点もメリットといえるでしょう。

ノウハウが蓄積しやすく緊張感が保てる


ラボ型開発の場合、契約期間中は委託先のエンジニアを自社のスタッフのように自由に活用できます。しかも長ければその関係が1年も続くため、開発のノウハウが蓄積され社内文化への理解も深まります。よって、一旦契約が終了しても、その密な関係を維持しつつ他のプロジェクトを再委託することも可能です。たとえ内容は違っても要領がわかっており、実力も気心も知れているため、一から他に頼むより業務がスピーディーに遂行できるでしょう。
また、同じ会社の社員同士だと緊張感を保つことは容易ではありません。しかし、ラボ契約はあくまで違う会社の社員同士。親しくはなってもいい意味で相互に一定の距離感を保てるので、なれ合いやマンネリ化を回避し、妥協せずに同じ目的に向かって業務推進できる点も大きな魅力です。

ラボ型開発を行う際の注意点

最後に実際にラボ型開発を行う際の注意点について解説しましょう。ラボ型開発には、魅力的な面が多々ありますが、ポイントを押さえて契約しなければ期待したほど成果があがらない恐れもあります。ぜひその点も事前に認識しておきましょう。

仕事不足にならないようにする


繰り返しになりますが、ラボ型開発は期間の定められた契約のため、たとえ予定していた開発業務が終了しても契約そのものは終了できません。よって、もし追加の案件がなければ期間内は仕事がなくとも報酬を払い続ける必要があります。一見不条理に思えるかもしれませんが、相手企業も他の案件をよそにそのプロジェクトに特化して貴重な人材を投入している事情を考えると致し方ないでしょう。とはいえ、これは大きな損失になりかねないので、あらかじめ仕事量を多めに確保しておくか、契約期間を長くし過ぎないように注意が必要です。

コミュニケーションを密にする


ラボ型開発では、たしかに発注者専属のエンジニアチームが設けられますが、必ずしも自社内でともに仕事をするとは限りません。エンジニアたちが身をおくのは、先方のオフィスというケースもあれば、オフショア開発なら基本的に海外になります。よって適度にコミュニケーションをとり、定例会議を行うなどして進捗状況を細やかに把握することが重要です。
また会社が違えば、仕事に取り組む姿勢や考え方が大きく異なることも珍しくありません。ましてや海外なら、仕事や時間の捉え方、生活習慣や宗教も異なるため、こちらが常識で当然と思い込んでいることが、相手にとっては全く理解できないというケースも存在します。さらに時差を計算に入れて指示や確認のタイミングも工夫する必要があるでしょう。
よって、こんなはずではなかった、こちらはこう言ったのに…といった残念な結果を招かないためにも、相手に間違いなく伝わる質の高い仕様書作りや優秀なブリッジSEやプロジェクトマネージャーの起用、報連相がしやすい関係作りなど予防策に注力することが必須です。オフショアの場合セキュリティ面でも不安がある、プロダクトの質を最優先にしたいという場合は、国内の開発会社とラボ契約を結ぶことをおすすめします。

事前によく調査して実績やレベルを確認する


システム開発もアプリ制作も目に見えてはっきりと形に残るものです。そこに誤魔化しはききません。よってこちらが意図した成果物かどうかは、一目瞭然。もし想定通りのスキルや経験を持つエンジニアであれば、こちらの満足できる製品を納めてくれるでしょう。しかし、そのレベルになければ、プロジェクト失敗の可能性もあります。
よって、事前にエンジニアのレベルはもちろん、委託先の企業がどれだけの実績があるかをよく見極めることが重要です。

まとめ

ラボ型開発のメリットと請負型開発との違い、さらに、ラボ型開発を行う際の注意点について詳しく解説しました。

国内、海外に関わらず、ラボ型開発には数多くのメリットがあります。ただし、ラボ型開発の場合、アウトソーシングといっても消して業務の丸投げではありません。相手企業とは、繰り返し協議を重ねて要件定義を行い、システムの完成に向けてともに歩んでいく「同士」のような関係といえるでしょう。よって、相手にどのような役割を求めるのか、あらかじめ社内でしっかりと話し合っておくことも大切です。

ただ、プロジェクトが始動して途中で仕様変更したい場合でも、ラボ型開発なら見積もりの調整は不要、柔軟に対応してもらえるので安心です。そして、事前にしっかり調査をし、優秀なエンジニアがいて実績もある企業を見つけられれば、ラボ型開発で満足のいく成果が得られるに違いありません。その日を楽しみにして準備に取りかかりましょう。
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サックルマガジン編集部

デジタルクリエイティブの最新情報を発信する情報マガジン「サックルMAGAZINE」の編集部です。運営会社サックルは「ニーズがあるクリエイター集団でい続ける」を掲げ、創業13年目を迎えました。デジタル領域のプロとして、メディアを通じて多くのビジネスマンに有益な情報を発信しています。

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